DAILY KOREAN PRO BASEBALL 2

1982年に発足し、2024年時点で10球団が加盟する韓国野球委員会(KBO)による韓国のプロ野球リーグ(通称KBOリーグ)に関するブログ。レギュラーシーズン、ポストシーズン(韓国シリーズなど)の試合速報や球団別の情報、現役プロ選手が含まれる野球韓国代表が出場する国際大会の情報などもお伝えします。 twitter : @kbodigest

   プレーオフ第5戦  トゥサン、2年ぶりに韓国シリーズ進出

2015年 プレーオフ 第5戦

トゥサン 6−4 NC  (馬山)
(勝)チャン・ウォンジュン 1勝  (セーブ)イ・ヒョンスン 1S  (敗)スチュアート 1勝1敗
本塁打) トゥサン : ヤン・ウィジ 1号  NC : チ・ソックン 1号


 勝ったほうが韓国シリーズ進出となるプレーオフ第5戦は、NCの本拠地・馬山に満員の観衆を集めて始まった。


 NCは1回裏、トゥサンの先発チャン・ウォンジュンから3番ナ・ソンボム、4番テームズの連打でチャンスをつくると、5番イ・ホジュンのタイムリーで1点を先制した。NCの先発スチュアートは2回まで完ぺきに抑え、2回裏7番ソン・シホンの2塁打でチャンスをつくり、1番パク・ミヌのタイムリーで1点を追加した。トゥサンは3回表、7番オ・ジェウォンが2塁打でチーム初ヒットを打ったが、3塁へ進んだ後内野ゴロの間に生還しようとしたもののホームでタッチアウトとなった。
 トゥサンは4回表5番ヤン・ウィジの本塁打で1点を返すと、5回表9番キム・ジェホの2塁打でチャンスをつくり、1番チョン・スビンのタイムリーで2-2の同点に追いついた。その後満塁のチャンスをつくり、4番キム・ヒョンスの2点タイムリーで4-2と逆転し、スチュアートをノックアウトした。さらに代わったNCの2番手イ・ミンホからヤン・ウィジの犠牲フライ、8番オ・ジェイルの内野ゴロの間に2点を追加した。
 NCは5回裏パク・ミヌのヒットでチャンスをつくり、ナ・ソンボムのタイムリーで1点を返した。そして6回裏チ・ソックンの本塁打で4-6と追い上げたが、続くチャンスをパク・ミヌの併殺打で逃した。イ・ミンホも6回から7回まで無失点に抑えた。NCは7回裏先頭の2番キム・ジョンホが四球で出塁し、ここでトゥサンは2番手イ・ヒョンスンが登板し後続を断った。トゥサンは8回表、NCの3番手イム・ジョンホ、4番手キム・ジンソン、5番手イ・テヤンから2死満塁のチャンスをつくったが、追加点を奪えなかった。
 NCは9回表6番手イ・ヘェチョン(元東京ヤクルト)、7番手イム・チャンミンが1人ずつを打ち取った後、なんとライトを守っていたナ・ソンボムがマウンドに上がり、ヒット1本を打たれたが結局無失点に抑えた。イ・ヒョンスンは相手の反撃を断ち、トゥサンがプレーオフの対戦成績を3勝2敗とし、2013年以来2年ぶりとなる韓国シリーズ出場を決めた。

 7回途中まで4失点だったが、チャン・ウォンジュンがトゥサン移籍後ポストシーズン初勝利。プレーオフMVPは、公式戦は長期離脱で6勝に終わったが、第1戦、第4戦で先発し2勝したニッパートが選ばれた。トゥサンは公式戦3位だったが、公式戦2位ながらも一軍参入3年目で経験の浅いNCに大舞台での地力の差を見せつけた。


 第3戦で2勝1敗としながら、第4-5戦で連敗し韓国シリーズ初出場はならなかったNCでは、最多勝投手ハッカープレーオフ2試合に先発し2敗と大誤算で、第2戦で完投勝利をあげたスチュアートも第5戦では攻略されてしまった。打線ではテームズ、ナ・ソンボム、イ・ホジュンのシーズン100打点トリオが1本も本塁打を打つことなく終わった。新興球団ながら公式戦2位となったことは称賛に値するが、2014年公式戦3位ながら準プレーオフで4位LGに敗れた時と同じく、ポストシーズンはまたもや公式戦で下位だったチームに勝つことはできないなど、大舞台での経験不足を露呈した。特殊な選手起用が求められ独特の雰囲気があるポストシーズンで勝つためには、乗り越えるべき部分が数多く残っていることも、過去にトゥサンで何度もポストシーズンを指揮し、北京オリンピックで韓国代表を率いた経験豊富であるはずのキム・ギョンムン監督も、発展途上のNCでは今後の課題として痛感したことであろう。


 公式戦優勝・サムソンとプレーオフ勝者・トゥサンとの2015年韓国シリーズは、10月26日(月)18時半より、サムソンの本拠地・大邱にて第1戦が開幕となる。

(文責:ふるりん