DAILY KOREAN PRO BASEBALL 2

1982年に発足し、2024年時点で10球団が加盟する韓国野球委員会(KBO)による韓国のプロ野球リーグ(通称KBOリーグ)に関するブログ。レギュラーシーズン、ポストシーズン(韓国シリーズなど)の試合速報や球団別の情報、現役プロ選手が含まれる野球韓国代表が出場する国際大会の情報などもお伝えします。 twitter : @kbodigest

  8月27日 ネクセンヒーローズ−LGツインズ (蚕室野球場)

 
 2013年シーズンが近年と異なる点として最も特徴的なのは、2008年の球団創設後一度もポストシーズン(公式戦4位以上)の進出がないネクセンヒーローズと、2002年の韓国シリーズ進出以降、10年連続でポストシーズン進出を果たしていないLGツインズと、前年まで下位に低迷していた球団が上位争いを続けていることです。
 特に1990年代前半2度の韓国シリーズ優勝でプロ野球人気を支え、根強いファンの多いLGの試合には、これまで以上に大勢の観客が押し寄せ、11年ぶりのポストシーズン進出、1994年以来19年ぶりの優勝を願うファンたちの声援が選手たちを後押しします。

 8月27日のネクセン−LGは、火曜日の平日にもかかわらず、ホームの1塁側LG応援席は大変な熱気に包まれていました。

 試合の前には、日本でもよく知られた女性アイドルグループ・少女時代(ソニョシデ)のメンバー、テヨンとソヒョンによる始球式もあり、観客たちが大きな歓声を上げました。
 テヨンがマウンドの少し前からボールを投げ、バッターボックスのソヒョンがそれを振るという形でした。
(結果は大暴投で捕手がジャンプしても取れませんでしたが、ちゃんと空振りしてくれました)


(左がソヒョン、右がテヨン。)





 試合前、首位サムソンとゲーム差なしで並んでいた2位LGは、この試合に勝利しサムソンが敗れれば単独首位に立つ可能性がありました。
 平日のため、試合開始の18時半ごろはあまり観客席は埋まっていませんでしたが、日が落ち夜の帳が降りてくると、どんどん観客は増えていき、盛り上がりは最高潮に達していきます。


 特に内野バックネット裏から1塁側応援ステージ付近、ライト外野近くまでぎっしり埋まったLGファンたちの赤と黄色の波は、他に例えようがないものでした。






 試合前4位ですが、5位以下とそう大きな差がないネクセンも、上位進出を狙いLGに食い下がり、3塁側のネクセンファンたちも負けじと歓声を送ります。



 結局試合はネクセンが1回表に1点を守りきり、1-0で勝利しました。勝利のみならず、首位に立つチャンスを逃したLGファンたちでしたが、1点差だったこともありチームの勝利を信じて大音量がしぼむことはありませんでした。





 9月1日現在、首位サムソンと2位LGはまだゲーム差なしで並んでいて、あと1ヶ月程度となった公式戦での優勝争いは、未だにその勝者の姿が見えてきません。
 このソウル市内の蚕室野球場を本拠地とするもうひとつのチーム、トゥサンも現在3位とLGを追いかける立場にいて、週末の両チームの試合、特にLG戦は入場券の確保が難しくなっています。平日も早めに行かないと内野席の購入は難しいかもしれません。
 
 最後まで白熱した優勝、上位争いが続き、蚕室野球場だけでなく他の野球場にも涼しい秋風でも冷ますことのできない情熱が残り、ファンを落胆させない戦いが続くことを期待します。
 

(文責 : ふるりん