DAILY KOREAN PRO BASEBALL 2

1982年に発足し、2024年時点で10球団が加盟する韓国野球委員会(KBO)による韓国のプロ野球リーグ(通称KBOリーグ)に関するブログ。レギュラーシーズン、ポストシーズン(韓国シリーズなど)の試合速報や球団別の情報、現役プロ選手が含まれる野球韓国代表が出場する国際大会の情報などもお伝えします。 twitter : @kbodigest

   韓国シリーズ第3戦  SK、怒涛の3連勝で優勝に王手

2010年 韓国シリーズ 第3戦

SK 4−2 サムソン  (大邱
(勝)イ・スンホ(背番号37) 1勝  (セーブ)イ・スンホ(背番号20) 1S  (敗)ペ・ヨンス 1敗

 SKが2連勝して有利に立った韓国シリーズ第3戦は、サムソンの本拠地・大邱(テグ)に1万人の超満員の観衆を集め、サムソンの先発がペ・ヨンス、SKの先発が門倉(元読売)で開始された。



 SKは1回表先頭の1番チョン・グヌのヒット、2番パク・チェサンの送りバントで2塁に走者を進めると、3番パク・チョングォンの打球は1塁ファールライン付近に転がり勢いがなく幸運にも内野安打となり、1死1,3塁とチャンスが拡大した。ここで4番イ・ホジュンの外野へ抜けそうな打球をファーストのチョ・ヨンフンがうまく捕ったが、本塁へは間に合わず3塁走者が生還しSKが先制した。さらにこの回5番チェ・ジョンへの死球や6番キム・ガンミンのヒットで満塁のチャンスを作ると、7番キム・ジェヒョンへの押し出しの四球で1点を追加した。


(サムソンの先発ペ・ヨンス。)


 サムソンも1回裏1番イ・ヨンウクへの死球、2番チョ・ドンチャンへの四球でチャンスを作ると、ここで3番パク・ソンミンの送りバントで2,3塁とチャンスを拡大し、4番チェ・ヒョンウの犠牲フライで1点を返した。続く5番パク・ハニは敬遠され、6番シン・ミョンチョルも四球を選び2死満塁とサムソンはチャンスを続けた。しかしここで7番チョ・ヨンフンが凡退してしまった。
 サムソンは2回裏も門倉から先頭の8番ヒョン・ジェユンにヒットが出てチャンスを作るが、続く9番キム・サンスは併殺打に倒れ、イ・ヨンウクのヒット、チョ・ドンチャンの四球でまた1,2塁のチャンスを作るものの、パク・ソンミンが三振しちぐはぐな攻撃が続いた。ペ・ヨンスは2回以降立ち直り、サムソンは3回裏にも先頭のチェ・ヒョンウが2塁打でチャンスを作り、ここで調子の悪い門倉は2番手イ・スンホ(背番号37)に交代した。そして飛び出していたチェ・ヒョンウをSKの捕手パク・キョンワンがけん制で刺殺し、この回またもサムソンはチャンスをつぶしてしまった。
 ペ・ヨンスは5回表2死3塁の場面で2番手チョン・ヒョヌクに交代し、ここは追加点を阻止した。するとサムソンはその裏1死からチョ・ドンチャンが四球で出塁したが、ここで代わったSKの3番手チョン・ビョンドゥの前にパク・ソンミンがセカンドのチョン・グヌの好守備もあり併殺打に打ち取られ、またもや流れを引き寄せられない。SKは6回表チェ・ジョンへの四球、キム・ガンミンのヒットで1死1,2塁とチャンスを作るが、キム・ジェヒョンは併殺打に倒れ追加点を奪えなかった。そしてその裏から3番手チョン・ウラムを登板させた。


(5回裏好守備を見せたチョン・グヌ。)


 SKは8回表先頭のパク・チェサンがヒットで出塁すると、続くパク・チョングォンのタイムリーで1点を追加し、ここで代わったサムソンの3番手アン・ジマンからチェ・ジョンの犠牲フライで4−1とリードを広げた。サムソンはその裏代わったばかりのSKの4番手チョン・デヒョンから先頭のチョ・ドンチャンがヒットを打つが、パク・ソンミンが三振に倒れると、さらに交代したSKの5番手ソン・ウンボムの前にチェ・ヒョンウ、パク・ハニが連続三振し、反撃できなかった。


(8回裏パク・チョングォンのタイムリーで1点を追加。)


 サムソンは9回裏1死後チョ・ヨンフン、ヒョン・ジェユンの連続ヒットで1,2塁とチャンスを作り、ソン・ウンボムの暴投や途中出場の9番パク・チンマンの四球で満塁となった。ここでソン・ウンボムの暴投でサムソンが1点を返したため、SKは6番手イ・スンホ(背番号20)をマウンドに送った。そして代打チン・ガビョン、チョ・ドンチャンともに三振に倒れ、SKが逃げ切り3連勝で2年ぶりの韓国シリーズ優勝に王手をかけた。
 
 SKは相手の拙攻にも助けられたが、四死球を連発していた先発門倉を3回途中で簡単に交代させ、得意の継投策でかわして接戦をものにした。2番手として3回途中から5回途中まで無失点に抑えたイ・スンホ(背番号37)は、プロ12年目にしてポストシーズン、韓国シリーズ初勝利。また9回裏のピンチを連続三振で抑えたイ・スンホ(背番号20)も、プロ11年目にしてポストシーズン、韓国シリーズ初セーブ。
 3連敗となり後がなくなったサムソンは、先発ペ・ヨンスこそ1回をのぞきそう悪くはなかったものの、調子の上がらないSKの先発門倉を攻略しきれず、相手の継投策にかわされ続け打線がつながらなかった。その中でも捕手ヒョン・ジェユンが3安打と一人気を吐いた。
 
 韓国シリーズ第4戦は、19日18時より第3戦と同じく大邱で開始され、サムソンの予告先発はチャン・ウォンサム(※ 29試合、13勝6敗、防御率3.46)、SKの予告先発グローバー(元読売、※ 22試合、6勝8敗、防御率5.66)と発表された。SKが一気に4連勝で優勝を決めるか、それともサムソンが1勝し決着をソウル・蚕室野球場での第5戦以降に持ち込むのか、大いに注目される。

※は2010年シーズン公式戦の成績。

(文責 : ふるりん