3月27日、2010年シーズンのプロ野球公式戦が盛大に開幕し、試合が行われた4球場すべて入場券が完売し、合計9万3500人の観客が集まった。
キア 3−8 トゥサン (ソウル・蚕室)
(勝)ヒメネス 1勝 (敗)ロペス 1敗
(本塁打) トゥサン : コ・ヨンミン 1号、イ・ソンヨル 1号
ソウル・蚕室野球場は曇り空だったが、27500人の満員の大観衆が集まった。盛大な開幕セレモニーのあと、始球式は2月のバンクーバー冬季五輪の女子スピードスケートで金メダルを獲得したイ・サンファがつとめた。
トゥサンは3回裏、キアの開幕投手ロペスから9番ソン・シホン、1番イ・ジョンウクのタイムリー、2番コ・ヨンミンの2ランで一気に4点を先制すると、この回3番イ・ソンヨルの本塁打、5番キム・ドンジュのタイムリーで6−0とリードを広げた。キアは4回表、トゥサンの開幕投手の新外国人ヒメネスから7番アン・チホンのタイムリーで2点を返した。トゥサンは6回から得意の継投策に出たが、キアは6回表トゥサンの2番手イム・テフンから、サードのキム・ドンジュのエラーもあって1点を返した。
トゥサンは7回裏キアの3番手ソン・ヨンミンから6番チェ・ジュンソクのタイムリーで1点、8回裏キアの4番手イ・ドンヒョンからイ・ジョンウクのタイムリーで1点を追加し、7回以降はチン・ヤゴプ、チョン・ジェフン、コ・チャンソンの継投で相手の反撃を断ち、見事本拠地の開幕戦を勝利で飾った。韓国初登板が開幕投手の大役だったヒメネスは5回を2失点で、打線の援護に恵まれ韓国初勝利。打線では4番キム・ヒョンスが4安打、イ・ジョンウクが3安打2打点と活躍。一方2009年シーズンの王者キアは、最多勝(14勝)だったロペスが3回に捕まり6失点と崩れたのが誤算だった。
ハンファ 2−3 SK (仁川・文鶴)
(勝)門倉 1勝 (セーブ)イ・スンホ 1S (敗)カペヤン 1敗
(本塁打) ハンファ : キム・テワン 1号
SKの本拠地、仁川・文鶴野球場にも28000人の大観衆が集まり、SKが目指す環境にやさしい「グリーンスポーツ」をイメージした盛大な開幕セレモニーが行われ、2月のバンクーバー冬季五輪の男子スピードスケートで金メダルを獲得したイ・スンフン、モ・テボムの2人が始球・始打式に登場した。
ハンファは1回表、SKの開幕投手門倉(元読売)から3番キム・テワンの2ランで先制した。SKはその裏、ハンファの開幕投手の新外国人カペランからチャンスを作り、捕手シン・ギョンヒョンのパスボール、カペラン自身の暴投で2−2の同点に追いつき、2回裏1番チョン・グヌのタイムリーで1点を勝ち越し逆転した。カペランはその後追加点を与えなかったが、打線が門倉からチャンスを作るものの得点できず、試合は接戦となった。
SKは8回チョン・ウラム、9回イ・スンホと2人の左腕で1点差を守りきり、開幕戦を勝利で飾り、2009年シーズンから続く公式戦の連勝を20に伸ばした(引き分け1つをはさむ)。日本人としては初の開幕投手となった門倉は7回2失点で勝利投手となり、大役を見事に全うした。チャンスは決して多くなかったが、カペランの不安な立ち上がりをついて同点に追いつき逆転したSKらしい野球は顕在だった。一方2009年の最下位からの脱出を目指すハンファは、初の開幕4番に起用された24歳のチェ・ジンヘンが3打席連続三振で途中後退と期待にこたえられなかったが、開幕に間に合うか微妙だった主砲キム・テワンが先制2ランを打ち、新外国人カペランも7回を3失点とさほど悪い内容ではなく、次に期待を持たせた。
(開幕投手をつとめた門倉。)
ネクセン 3−2 ロッテ (釜山・社稷)
(勝)クム・ミンチョル 1勝 (セーブ)ソン・スンナク 1S (敗)サドースキー 1敗
(本塁打) ネクセン : キム・ミヌ 1号、カン・グィテ 1号 ロッテ : イ・デホ 1号、ガルシア 1号
釜山・社稷野球場にも、地元の熱狂的なロッテファンたちが集まり、28500人の大観衆でにぎわった。始球式は人気女性グループ:4 minuteのメンバー、ヒョナがつとめた。
ネクセンは1回表、ロッテの開幕投手の新外国人サドースキーから2番キム・ミヌの本塁打で1点を先制し、2回表8番カン・グィテの2ランでリードを広げた。ロッテは2回裏、ネクセンの開幕投手クム・ミンチョルから2死満塁のチャンスを作るがこれを逃し、3回裏4番イ・デホ、6番ガルシア(元オリックスの2本塁打で3−2と1点差に迫った。ロッテは6回以降キム・サユル、カン・ヨンシク、イム・ギョンワンなどの継投策で必勝体制を取り、打線の反撃を待った。
ネクセンもソン・シニョン、オ・ジェヨンの継投策を取り、ロッテは9回裏ネクセンの4番手ソン・スンナクから1番キム・ジュチャンのライトへの大きな打球はフェンスを越えるかに思われたが、スタンドのファンが触れグラウンドに落ちたとして、エンタイトル2ベースとなってしまった。結局同点に追いつけずネクセンが接戦を制し、新メインスポンサーのネクセンタイヤがついてから公式戦での初勝利をあげた。2009年オフトレードでトゥサンから移籍し、以前からロッテに強かった左腕クム・ミンチョルは、6回2失点に抑え移籍後初勝利。一方ロッテは再三チャンスを作りながら3番チョ・ソンファン、5番カン・ミンホが無安打でブレーキ役になり、守備でももろさを見せそれが失点につながるなど、不満の残る内容でファンたちを落胆させた。だが打線では1番キム・ジュチャンが3安打と活躍。
LG 7−5 サムソン (大邱)
(勝)イ・ドンヒョン 1勝 (セーブ)岡本 1S (敗)ペク・チョンヒョン 1敗
(本塁打) LG : オ・ジファン 1号、イ・ジニョン 1号 サムソン : チン・ガビョン 1号
大邱での開幕戦にも、1万人の満員の観衆が詰め掛けた。LGは1回表、サムソンの開幕投手ユン・ソンファンから4番イ・ビョンギュ(背番号9、元中日)の4年ぶりの打点となる犠牲フライで1点を先制した。サムソンは4回裏、LGの開幕投手の新外国人ゴンザレスから7番チン・ガビョンの2ランで逆転した。LGは5回表、8番オ・ジファンのプロ2年目にして初本塁打となる3ランで4−2と逆転し、サムソンも6回裏LGの3番手キム・グァンスから9番シン・ミョンチョルのタイムリーで1点差とした。
さらにサムソンは8回裏LGの6番手イ・ジェヨンからシン・ミョンチョルの2打席連続タイムリーで5−4と逆転したが、LGは9回表サムソンの守護神オ・スンファンから6番イ・ジニョンの本塁打で5−5の同点に追いついた。試合はこのまま延長に突入し、LGは11回表サムソンの6番手ペク・チョンヒョンからチャンスを作ると、代わった7番手アン・ジマンから途中出場の9番パク・ヨングンのタイムリーで2点を勝ち越し、最後は新外国人岡本(元埼玉西武)が抑え、延長戦を制し開幕戦を勝利で飾った。9番手として登板し1回を無失点に抑えたイ・ドンヒョンが勝利投手。岡本は韓国初セーブ。打線では9回表同点本塁打を打ったイ・ジニョンが3安打1本塁打1打点と活躍。一方本拠地での開幕戦で敗れたサムソンでは、5番チェ・テインが3安打と活躍。
(文責 : ふるりん)