DAILY KOREAN PRO BASEBALL 2

1982年に発足し、2024年時点で10球団が加盟する韓国野球委員会(KBO)による韓国のプロ野球リーグ(通称KBOリーグ)に関するブログ。レギュラーシーズン、ポストシーズン(韓国シリーズなど)の試合速報や球団別の情報、現役プロ選手が含まれる野球韓国代表が出場する国際大会の情報などもお伝えします。 twitter : @kbodigest

  韓国シリーズ、サムソンが4連勝で3年ぶり2度目の優勝  ソン・ドンヨル監督(元中日)、史上初の新人監督シリーズ優勝  オ・スンファン(サムソン)、シリーズMVP

韓国シリーズ 第4戦
サムソン 10−1 トゥサン  (ソウル・蚕室)

(勝)ハリッカラ 2勝  (敗)リオス 1勝2敗
本塁打) サムソン : パク・ハニ 1号
 緒戦から3連勝したサムソンの3年ぶり2度目の韓国シリーズ優勝がかかる第4戦は、第3戦と同じく30500名の大観衆を集め、トゥサンの先発が第1戦で先発したリオス(32試合、15勝13敗、防御率3.51)、サムソンの先発が第1戦で勝利したハリッカラ(11試合、3勝2敗、防御率3.71)で始まった。サムソンは1回表、1死1,3塁のチャンスでシム・ジョンスの内野ゴロの間に3塁走者が生還し1点を先制する。
 サムソンは3回表キム・ジョンフンの犠牲フライとパク・ハニの本塁打で3−0とリードを広げると、4回表にも連打でチャンスを作りトゥサンはリオスをあきらめ2番手キム・ミョンジェに交代させる。だがパク・チンマンにタイムリーを打たれ1点を追加される。ハリッカラは5回まで無失点に抑える。トゥサンは6回裏、サムソンの3番手オ・サンミンからチェ・ギョンファンのタイムリーでやっと1点を返す。
 勢いに乗るサムソンは8回表、トゥサンの3番手イ・ジェヨン、4番手チョ・ヒョングンからパク・ハニと代打カン・ドンウのタイムリーなどで4点を追加すると、9回表にはトゥサンの5番手キム・ソンベからチョ・ドンチャンとキム・ジョンフンのタイムリーで2点を奪いダメを押す。
 サムソンは4番手クォン・オジュン、守護神オ・スンファンがトゥサンに反撃を許さず、9回裏オ・スンファンが最後の打者チャン・ウォンジンを打ち取り、トゥサンに大勝し4連勝で3年ぶり2度目の韓国シリーズ優勝を達成した。負けなしの4連勝で韓国シリーズを優勝したのは、1991年のヘテ(現キア)以来14年ぶり5度目(相手はピングレ、現ハンファ)。サムソンのソン・ドンヨル監督(元中日)は、史上初となる新人監督での韓国シリーズ優勝の偉業を達成した。なおサムソンは4年前の2001年の韓国シリーズで敗れたトゥサンへのリベンジも果たすことができた。
 敗れたトゥサンは前身のOB時代を通じ、4度目の韓国シリーズ出場で初の敗退となった。今回は4試合で5点しか取れなかった打線の弱さが目に付いてしまい、自慢の投手陣もふがいない打線に呼応するかのように終盤で崩壊してしまった。また2年連続、ここ5年間で4度韓国シリーズに進出しているサムソンの選手たちと違って、今年のトゥサンの主力選手は4年前の韓国シリーズに出た選手が少なく、大舞台での経験の差も出てしまった。だが開幕前下馬評が高くはなかったトゥサンを公式戦2位、韓国シリーズ出場へ導いたキム・ギョンムン監督の手腕は高く評価される。
 韓国シリーズMVPはサムソンの守護神で3試合に登板し自責点0、1勝1Sをあげたルーキーのオ・スンファンが受賞した。ルーキーのシリーズMVP受賞は、1993年のイ・ジョンボム(元中日、当時はヘテ所属)に次いで史上3人目。
 なおサムソンは11月10−13日に日本・東京ドームで開催されるアジアシリーズに出場し、日本、台湾プロ野球のチャンピオンチーム、中国プロ野球選抜チームとプロ野球チームアジアナンバー1の座をかけて戦う。10日の緒戦は日本プロ野球代表チームとの対戦ということで、日本プロ野球・中日でも活躍したソン・ドンヨル監督へ大いに注目が集まることであろう。


(文責:ふるりん