DAILY KOREAN PRO BASEBALL 2

1982年に発足し、2024年時点で10球団が加盟する韓国野球委員会(KBO)による韓国のプロ野球リーグ(通称KBOリーグ)に関するブログ。レギュラーシーズン、ポストシーズン(韓国シリーズなど)の試合速報や球団別の情報、現役プロ選手が含まれる野球韓国代表が出場する国際大会の情報などもお伝えします。 twitter : @kbodigest

  ソン・ドンヨル代表監督(元中日)が就任

 韓国野球委員会(KBO)は24日、新しい野球韓国代表の専任監督としてソン・ドンヨル監督(54・元中日)が就任したことを発表し、あわせて記者会見も行われた。任期は2020年東京オリンピックまでとなっている。


 ソン・ドンヨル監督は現役時代、1985年から1995年までヘテ(キアの前身)に所属し、通算146勝132セーブ、防御率1.20の成績で7度の韓国シリーズ優勝に貢献した。1996年から1999年まで日本プロ野球・中日に在籍し引退した。引退後は指導者となり、2004年よりサムソンの首席コーチ、2005年より監督に就任し同年、2006年と2度の韓国シリーズ優勝に導いた。2010年限りでサムソンの監督を退任後、2012年から2014年までキアの監督を務めたが、ポストシーズン進出は一度もなかった。
 現役時代のプロ生活では当時アマチュア選手しか出場できなかったため韓国代表に選出されなかったが、実業団の韓国化粧品時代には1984ロサンゼルスオリンピックなどの国際大会に出場した経験がある。指導者時代では2006 WBC(ワールドベースボールクラシック)、2007年アジア選手権、2008年北京オリンピック予選で韓国代表の投手コーチを務めた。キアの監督を退任してからは2015年のWBSCプレミア12韓国代表の投手コーチを務め優勝に貢献した。2017 WBCでも韓国代表投手コーチを務めた。

 1998年のバンコクアジア大会からプロ選手の国際大会出場が解禁されたため、プロ選手を主体とした野球韓国代表チームが構成されるようになった。そのため、3位で銅メダルを授与された2000年シドニーオリンピック(ヘテのキム・ウンニョン監督が指揮)以降の主要な国際大会からは現役のプロ野球指導者が監督を務めるようになった。そして2002年釜山アジア大会で優勝し、2006(準決勝進出)、2009(準優勝)と2度のWBCで好成績を残したキム・インシク監督(2002年はトゥサン、2006年と2009年はハンファ監督)、2008年北京オリンピックで優勝したキム・ギョンムン監督(2008年はトゥサン、現在はNC監督)、2010年広州アジア大会で優勝したチョ・ボムヒョン監督(当時キア監督)など、代表選手たちをよく知る現場のプロ野球の指導者が韓国代表を指揮することで結果を出してきた。
 しかし2012年以降プロ野球が8から9,そして10球団体制と規模が拡大していき試合数も増加し、現場の指揮官への負担も重くなっていった。2013 WBC、2014年仁川アジア大会で韓国代表監督を務めたリュ・ジュンイル監督(当時サムソン)は、2015 WBSCプレミア12の代表監督の就任要請を固辞し、その他の現役のプロ野球指導者も同様であったとされている。そのためやむを得ず現場を離れていた当時68歳のキム・インシク監督が代表監督に就任した。同大会で韓国代表は優勝し初代王者に輝く最高の結果を残したが、新たに韓国代表の指揮を任せられる指導者の不在も浮き彫りとなった。
 2017 WBCでは70歳を前にしたキム・インシク監督が同大会3度目の韓国代表の指揮を執り、経験豊富な年齢の高い選手たちを主力として選び大会に臨んだところ、自国開催にもかかわらず新興勢力のイスラエルと躍進著しいオランダに敗れ1次ラウンド敗退となってしまった。これを受けて韓国代表チームの大幅な刷新が求められ、韓国の野球界を代表する投手として現役時代の実績も申し分なく、プロ野球監督、そして代表チームの指導者として経験が豊富なソン・ドンヨル新監督のもと、今後の国際大会に臨むことになった。


 ソン・ドンヨル韓国代表監督が最初に指揮を執る大会としては、2017年11月16〜19日、初めて開催されるアジアプロ野球チャンピオンシップ(日本・東京ドーム)で、日本代表、台湾代表とともに3チームで初代王者を争う。同大会は1993年生まれ以降の若手選手が中心となり、次代の韓国代表を担う選手たちにとって貴重な経験となると思われる。その次に2018年8〜9月(詳細な日程は未定)、インドネシアジャカルタを中心に開催されるアジア大会があり、韓国代表にとっては3連覇がかかる。優勝すれば軍へ入隊していない選手たちには兵役免除の恩典が与えられるため、当面の最大の目標となる。その先には2019年に2回目の開催が予定され2連覇を狙うWBSC プレミア12、2008年以来となる夏季オリンピックでの野球競技の実施が決まった2020年東京オリンピックなどの国際大会が控えており、結果を残して韓国野球のさらなる振興につなげたいところだ。

  7月25〜30日

7月25(火)〜27(木)日 : SK−キア(光州)、NC−サムソン大邱)、トゥサン−KT(水原)、ネクセン−LG(ソウル・蚕室)、ハンファ−ロッテ(釜山・社稷
7月28(金)〜30(日)日:キア−トゥサン(ソウル・蚕室)、NC−KT(水原)、サムソン−ネクセン(ソウル・高尺)、ロッテ−SK(仁川)、LG−ハンファ(大田)

[試合開始時刻]
 火〜金曜日は18時半、土曜日・日曜日は18時。

(7月23日現在)

【打率】  
※ 規定打席到達者(試合数×3.1)
1.キム・ソンビン(キア)                .383
2.チェ・ヒョンウ(キア)      .369
3.ナ・ソンボム(NC)                .362
4.キム・ジェファン(トゥサン)            .353
5.イ・ミョンギ(キア)               .349


【打点】
1.チェ・ヒョンウ(キア)          85
2.チェ・ジョン(SK)            75
3.ク・ジャウク(サムソン)           71
4.キム・ジェファン(トゥサン)         70
5.バーナディーナ(キア)            69
5.ラフ(サムソン)             69


本塁打
1.チェ・ジョン(SK)        34
2.ハン・ドンミン(SK)            27
3.キム・ジェファン(トゥサン)          26
4.ロサリオ(ハンファ)            23
5.チェ・ヒョンウ(キア)       22


【安打】
1.ソン・アソプ(ロッテ)      124
2.キム・ジェファン(トゥサン)              123
3.チェ・ヒョンウ(キア)              122
4.ソ・ゴンチャン(ネクセン)            119
5.キム・ソンビン(キア)             116


【盗塁】
1.パク・ヘミン(サムソン)         27
2.イ・デヒョン(KT)         21
3.バーナディーナ(キア)          20
4.シム・ウジュン(KT)              14
5.ソン・アソプ(ロッテ)         13

     
防御率
規定投球回数達成者(試合数と同イニング)
1.パク・セウン(ロッテ)                 2.80
2.チャ・ウチャン(LG) 2.84
3.フィアベンド(KT)              2.93
4.チャン・ウォンジュン(トゥサン)           3.18
5.ヘクター(キア)              3.19


【勝利数】
1.ヘクター(キア)           14
2.ヤン・ヒョンジョン(キア)     13
3.ケリー(SK)        12
4.ニッパート(トゥサン)     10
5.ハッカー(NC)        9
5.パク・セウン(ロッテ)     9


奪三振
1.ケリー(SK)             123
2.チャ・ウチャン(LG)              107
3.フィアベンド(KT)           100
4.ヤン・ヒョンジョン(キア)          99
4.ヘクター(キア)           99


【セーブ】
1.イム・チャンミン(NC)      22
2.ソン・スンナク(ロッテ)     18
3.チョン・ウラム(ハンファ)        16
4.イ・ヨンチャン(トゥサン)        13
4.チャン・ピルジュン(サムソン)       13
4.キム・ジェユン(KT)        13


【ホールド】
1.ウォン・ジョンヒョン(NC)    19
2.チン・ヘス(LG)       17
3.イ・ボグン(ネクセン)    14
4.キム・ジンソン(NC)       13
4.ユン・ギルヒョン(ロッテ)      13

(文責:ふるりん