DAILY KOREAN PRO BASEBALL 2

1982年に発足し、2024年時点で10球団が加盟する韓国野球委員会(KBO)による韓国のプロ野球リーグ(通称KBOリーグ)に関するブログ。レギュラーシーズン、ポストシーズン(韓国シリーズなど)の試合速報や球団別の情報、現役プロ選手が含まれる野球韓国代表が出場する国際大会の情報などもお伝えします。 twitter : @kbodigest

2023年 シーズン展望 第1回 SSGランダース

15年ぶりの韓国シリーズ連覇へ

 2021年よりSSGランダースとなり、2022年は開幕から一度も首位を譲らず12年ぶりのレギュラーシーズン優勝、3年ぶりのポストシーズン進出、4年ぶりの韓国シリーズ優勝を成し遂げた。3年目となるキム・ウォンヒョン監督は前身のSKワイバーンス時代の2008年以来15年ぶりとなる韓国シリーズ連覇を狙い、戦力的には十分可能であると思われる。


【投手陣】

〈先発〉 
△キム・グァンヒョン、△◎マッカーティ、△◎ロメロ、△オ・ウォンソク、ムン・スンウォン、パク・チョンフン
〈リリーフ〉

ノ・ギョンウン、△キム・テフン、パク・ミンホ、ソ・ジニョン、チェ・ミンジュン、△コ・ヒョジュン、△◎イム・ジュンソプ


注 : ◎は新加入、△は左腕

 先発投手陣の柱は2022年にチーム最多タイの13勝、韓国通算149勝の左腕キム・グァンヒョンとなるが、34歳と年齢を重ねているため、後継者が必要となってくる。その候補としては21歳の若手左腕オ・ウォンソクがあげられる。2022年の韓国シリーズ優勝に貢献したフォント、モリマンドの2名の外国人選手と契約せず、新外国人選手2名はともに左腕で2022年にMLBクリーブランドガーディアンスで4勝を記録したマッカーティ、2022年まで日本プロ野球と契約していたロメロ(元千葉ロッテ)は実績十分で大きな期待がかかる。右の先発要員としてはイ・テヤンがFA(フリーエージェント)で古巣ハンファイーグルスへ移籍したため、2022年シーズン途中にリハビリから復帰したアンダースローのパク・チョンフン、ムン・スンウォンの2名だけと層が薄い。高卒新人ソン・ヨンジンなどの若手の成長と台頭が待たれる。

 リリーフ陣は2022年に抑えの柱を定められず、17セーブを記録した左腕キム・テッキョンが兵役により軍へ入隊したたため、21セーブを記録した右腕ソ・ジニョンが起用されると思われる。また39歳の右腕ノ・ギョンウンは2022年に先発、リリーフともにこなし自身最多の12勝と一花咲かせた。40歳のリリーフ左腕コ・ヒョジュンと並び、頼りになるベテランの存在は大きい。


【打撃陣】

〈予想スタメン〉
捕手:イ・ジェウォン

一塁:△チョン・ウィサン

二塁:△チェ・ジュファン

三塁:チェ・ジョン

遊撃:△パク・ソンハン

外野:△ チェ・ジフン、△ハン・ユソム、◎△ エレディア

指名:△チュ・シンス

〈控え〉
(捕手) △キム・ミンシク、イ・フンニョン
(内野手) △チェ・ハン、キム・ソンヒョン、アン・サンヒョン、チェ・ギョンモ
(外野手) キム・ガンミン、オ・テゴン、ハ・ジェフン
注 : ◎は新加入、△は左打者。

 打線の軸となるのは生え抜きの4番打者チェ・ジョンで、2022年もチーム最多の26本塁打を記録、個人通算本塁打数を429本に伸ばしイ・スンヨプ(現トゥサン監督)の467本塁打の韓国通算個人記録も視野に入ってきた。他にも2022年はチーム最多の100打点を記録した左の長距離打者ハン・ユソム、チェ・ジュファンなど経験豊富な打者がそろう。41歳の元メジャーリーガーのチュ・シンスも健在だ。ここにMLB通算7年間(2016~2022年)で27本塁打を記録した32歳の新外国人選手エレディアが加わり、打線はさらに破壊力を増すと思われる。また2022年韓国シリーズ第5戦で代打逆転サヨナラ本塁打を記録しシリーズMVP(最優秀選手)を受賞した40歳のキム・ガンミンは控えとして重宝されると思われる。

 期待の若手としては、2022年に13本塁打と結果を残した22歳の左の長距離砲チョン・ウィサンがあげられる。2022年は主にセンターを守りレギュラーシーズン全144試合に出場した25歳のチェ・ジフン、ショートを守り140試合に出場した24歳のパク・ソンハンは、9~10月に予定されている杭州アジア競技大会野球韓国代表に出場、優勝による兵役免除の恩典が期待される。全体的に主力の高齢化が進んでいるため、若手の成長と底上げで韓国シリーズ連覇を狙いたい。

 


【本拠地】 

仁川SSGランダースフィールド

 2002年に開場した、総天然芝の美しい野球場。韓国の首都圏・仁川(インチョン)広域市の東部にそびえる文鶴(ムナク)山の北側に位置する。文鶴野球場として開場し、SKからSSGへと経営が譲渡された2021年3月より現在の通称に変更している。
 2006年ごろから、韓国の他のプロ野球本拠地に先駆けエンターテイメントを追求したボールパークとして整備され、家族連れや様々な客層が楽しめる快適な観戦環境が提供されている。センター外野上の電光掲示板「ビッグボード」は韓国の野球場の中でも最大級の迫力である。SSGランダースとなってから、韓国では新世界グループが経営するスターバックスコーヒーが入店するなどさらなる進化を遂げている。

 

[交通アクセス]
 仁川交通公社1号線・文鶴競技場(ムナクキョンギジャン)駅から徒歩5分。


(文責 : ふるりん