SSGランダースとしての韓国シリーズ初優勝へ
2021年シーズン開幕前にSKワイバーンスとしての21年間の歴史に終止符を打ち、球団売却により新生SSGランダースとして臨んだ最初の年は最後まで5位争いに残るも僅差で6位に終わり、ポストシーズン進出はならなかった。シーズン開幕を前にして3月8日、SK時代にエースとして活躍し4度の韓国シリーズ優勝に貢献した左腕キム・グァンヒョンとの契約が発表され、SSGランダースとしての韓国シリーズ初優勝へ期待が高まっている。
【投手陣】
〈先発〉
△◎キム・グァンヒョン、フォント、◎ノバ、イ・テヤン、△オ・ウォンソク、◎ノ・ギョンウン
〈リリーフ〉
△チャン・ジフン、△キム・テフン、パク・ミンホ、ソ・ジニョン、◎ユン・テヒョン、△◎コ・ヒョジュン、△キム・テッキョン、キム・サンス
注 : ◎は新加入、△は左腕
2020年から2021年までMLBセントルイスカーディナルスで活躍した韓国通算136勝の左腕キム・グァンヒョンが復帰し、33歳と年齢を重ねているが先発投手陣の柱としての期待がかかる。だが他には韓国2年目の外国人選手フォントを除くと計算できる投手が少ない。MLB通算90勝と実績のある新外国人選手ノバも韓国では未知数である。2021年シーズン途中に故障で離脱し復帰にまだ時間を要するムン・スンウォン、パク・チョンフンの穴を埋めなくてはならない。それもあって、ロッテを自由契約となった38歳のベテラン右腕ノ・ギョンウンと契約した。
リリーフ陣も盤石とは言えない。2021年シーズンの最後は左腕キム・テッキョンが抑えを務めたが、調子次第では配置転換もあり得る。そのためリリーフとしてSKなどで活躍していた39歳のベテラン左腕コ・ヒョジュンと契約し層を厚くした。示範競技などで好投したサイドハンド右腕の18歳の新人ユン・テヒョンに期待がかかる。
【打撃陣】
〈予想スタメン〉
捕手:イ・ジェウォン
一塁:◎クロン
二塁:△チェ・ジュファン
三塁:チェ・ジョン
遊撃:△パク・ソンハン
外野:△ チェ・ジフン、△ハン・ユソム、◎△ チュ・シンス
指名:オ・テゴン
〈控え〉
(捕手) イ・フンニョン、イ・ヒョンソク
(内野手) △チェ・ハン、キム・ソンヒョン、アン・サンヒョン、コ・ミョンジュン
(外野手) キム・ガンミン、△オ・ジュンヒョク、△イ・ジョンボム、ハ・ジェフン
注 : ◎は新加入、△は左打者。
打線の軸となるのは生え抜きの4番打者チェ・ジョンで、2021年は35本塁打で自身3度目の本塁打王に輝いた。40歳となる元メジャーリーガーのチュ・シンスも健在で、左の長距離打者ハン・ユソム、チェ・ジュファンなど経験豊富な打者がそろう。本拠地の仁川SSGランダースフィールドが狭くチーム本塁打数は多い。長打力が評価されている新外国人選手クロン(元広島)が本領を発揮すれば打線はさらに破壊力を増す。投手陣に不安が大きいだけに、取られたら取り返すしかない。
2021年、新たに守備の要となったのがショートを守る23歳のパク・ソンハンである。打率も3割を記録し、今後プロ野球界を代表する内野手に成長する可能性を秘めている。また2019年は抑えとして活躍し、2021年シーズン終了後に外野手へ転向したハ・ジェフン(元東京ヤクルト)も話題を呼んだ。
SSGに生まれ変わって1年、就任2年目のキム・ウォンヒョンは前身のSK時代の遺産を受け継ぎつつ、プロ野球界に新たな歴史を刻むため、SSGとして初のポストシーズン進出(SK時代を含めると2019年以来3年ぶり)、韓国シリーズ優勝(同じく2018年以来4年ぶり)を目指していると思われる。課題の投手陣が安定すれば攻撃力は高いだけに十分実現は可能である。
【本拠地】
仁川SSGランダースフィールド
2002年に開場した、総天然芝の美しい野球場。韓国の首都圏・仁川(インチョン)広域市の東部にそびえる文鶴(ムナク)山の北側に位置する。文鶴野球場として開場し、2021年3月より現在の通称に変更している。
2006年ごろから、韓国の他のプロ野球本拠地に先駆けエンターテイメントを追求したボールパークとして整備され、家族連れや様々な客層が楽しめる快適な観戦環境が提供されている。センター外野上の電光掲示板「ビッグボード」は韓国の野球場の中でも最大級の迫力である。SSGランダースとなってから、韓国では新世界グループが経営するスターバックスコーヒーが入店するなどさらなる進化を遂げている。
[交通アクセス]
仁川交通公社1号線・文鶴競技場(ムナクキョンギジャン)駅から徒歩5分。
(文責 : ふるりん)