DAILY KOREAN PRO BASEBALL 2

1982年に発足し、2024年時点で10球団が加盟する韓国野球委員会(KBO)による韓国のプロ野球リーグ(通称KBOリーグ)に関するブログ。レギュラーシーズン、ポストシーズン(韓国シリーズなど)の試合速報や球団別の情報、現役プロ選手が含まれる野球韓国代表が出場する国際大会の情報などもお伝えします。 twitter : @kbodigest

2022年 シーズン展望 第3回 サムソンライオンズ

7年ぶりの韓国シリーズ出場、8年ぶりの優勝へ

 2021年はレギュラーシーズン2位で6年ぶりにポストシーズンへ進出、プレーオフでトゥサンに敗れたが巻き返しに成功したサムソンライオンズ。2022年は2015年以来7年ぶりの韓国シリーズ出場、4連覇を達成した2014年以来8年ぶりの優勝が目標となる。


【投手陣】

〈先発〉 
ブキャナン、◎スアレス、ウォン・テイン、△ペク・チョンヒョン、ヤン・チャンソプ、チャン・ピルジュン

〈リリーフ〉
ウ・ギュミン、キム・デウ、キム・ユンス、イ・スンヒョン(背番号20)、チェ・ジグァン、チェ・チュンヨン、△イ・スンヒョン(背番号54)、オ・スンファン
注 : ◎は新加入、△は左腕

 先発投手陣の柱は、2021年に最多勝の個人タイトルを受賞した韓国3年目の外国人選手ブキャナン(元東京ヤクルト)となる。これに韓国人最多の14勝を記録した21歳のウォン・テインと34歳のペク・チョンヒョンを加えた先発三本柱だけでなく、2021年はブキャナン以外の外国人投手が機能しなかったが、新外国人スアレス(元東京ヤクルト)に期待が集まる。また22歳のヤン・チャンソプがシーズンを通してローテーションを守れば、強力先発陣が完成する。

 リリーフの軸は40歳を迎えるオ・スンファン(元阪神)が絶対的な存在だが、年齢を考えると後継者も考えなくてはならない。リリーフの層がやや薄く、2020年と2021年の2年間は一軍未登板だったチェ・チュンヨンの復活が期待される。

 
【打撃陣】

〈先発予想〉

捕手:カン・ミンホ

一塁:△オ・ジェイル

二塁:キム・サンス

三塁:イ・ウォンソク

遊撃:キム・ジチャン

外野:△ク・ジャウク、キム・ホンゴン、ピレラ

DH:キム・ドンヨプ  

〈控え〉
(捕手)◎キム・テグン、◎キム・ジェソン
内野手)キム・ホジェ、△カン・ハヌル、△コン・ミンギュ
(外野手) パク・スンギュ、キム・ソンピョ
注:◎は新加入、△は左打者。

 打線の中軸は生え抜きで5年契約を結んだ29歳のク・ジャウク、韓国2年目の外国人選手ピレラ(元広島)、35歳のベテランの左の長距離打者オ・ジェイルで2021年と変化はない。最大の課題は2013年から俊足好打の外野手として活躍してきたパク・ヘミンがFA(フリーエージェント)となりLGへ移籍した穴を埋めることであるが、代役となる選手が台頭するのを待つ余裕はなく、現有戦力で何とかするしかない。

 正捕手カン・ミンホが36歳となり体力的な面での不安が大きいため、トレードでNCからキム・テグン、パク・ヘミンの補償選手としてLGからキム・ジェソンと2名の捕手を補強した。21歳のキム・ジチャンを除くと主力の高齢化が進み控えの層が厚くないため、19歳の新人イ・ジェヒョンなど若手の台頭が望まれる。

 就任3年目となるホ・サミョン監督にとって2022年は勝負の年となるが、前年の勢いを維持しつつチームの底上げを図るのは簡単ではない。もしそれを果たせたらその先には8年ぶりの韓国シリーズ優勝が見えてくる。


【本拠地】
大邱サムソンライオンズパーク
 

 大邱(テグ)は韓国南東部にある人口250万人以上の韓国第4の都市である。中心市街地から小さな峠を越えた東にある大邱サムソンライオンズパークは2016年に完成した緑に囲まれたボールパークである。周囲には商店や食堂などは少ないが、大邱都市鉄道(地下鉄)2号線・大公園(テゴンウォン)駅の目の前にあり交通の便はよい。

 客席がサムソンのチームカラーの青に統一された特徴的なデザインの野球場には電光掲示板、観客席ともに最新鋭の設備が導入され、売店なども充実し快適な観戦環境が提供されている。この野球場は西日が差し込まないようにするためホームが三塁側となっている。3塁側内野応援席の上には8回の優勝を記念するエンブレムが掲げられ、1塁側ライトポール付近には2017年に引退した大打者イ・スンヨプ(元オリックス)の肖像画が描かれ、ボール型のモニュメントも置かれている。ファールグラウンドが狭く、他の韓国のプロ野球本拠地球場に見られない八角の形状である。


[交通アクセス]
 大邱都市鉄道(地下鉄)2号線・大公園駅4,5番出入口の目の前にある。高速鉄道KTXが停車する東大邱駅前の複合乗換センターから大邱サムソンライオンズパーク方面への937番バスで15〜20分程度。
 
(文責:ふるりん