DAILY KOREAN PRO BASEBALL 2

1982年に発足し、2024年時点で10球団が加盟する韓国野球委員会(KBO)による韓国のプロ野球リーグ(通称KBOリーグ)に関するブログ。レギュラーシーズン、ポストシーズン(韓国シリーズなど)の試合速報や球団別の情報、現役プロ選手が含まれる野球韓国代表が出場する国際大会の情報などもお伝えします。 twitter : @kbodigest

レギュラーシーズン(10.31) 結果

KT、サムソンとの1位決定戦に勝利しレギュラーシーズン初優勝

 

KT 1-0 サムソン (大邱

 

 2021年レギュラーシーズンは全144試合を終えてもKTとサムソンが76勝59敗9分けと同じ勝率だったため、2020年からの規定で1試合のみの1位決定戦を実施することになった。直接対決では9勝6敗1分けとサムソンが勝ち越していたため、サムソンの本拠地・大邱サムソンライオンズパークで行われた。

 

 試合は緊迫した投手戦となり、サムソンの先発ウォン・テイン、KTの先発クエバスともに3回まで一人の走者も出さなかった。KTは4回表に1番チョ・ヨンホが四球でチームとして初めて出塁するも後続が断たれた。サムソンも4回裏に3番オ・ジェイルがチーム初安打を記録するもチャンスにならなかった。KTは6回表に1死から9番シム・ウジュンがショートへの内野安打と悪送球で2塁まで進むと、内野ゴロと四球で2死1,3塁のチャンスをつくった。ここで3番カン・ベッコのタイムリーでKTが1点を先制した。

 サムソンの2番手ウ・ギュミンは7回表に追加点を与えなかった。サムソンは7回裏にクエバスから先頭の2番ク・ジャウクが四球で出塁すると、オ・ジェイルの打球をKTの外野が取れず1塁走者は3塁まで進むも、打者走者は2塁でアウトとなった。その後4番ピレラ(元広島)が四球で出塁し1死1,3塁と同点のチャンスをつくるも、クエバスが後続を断ちサムソンは無得点に終わった。サムソンは8回表途中から3番手モンゴメリーを登板させた。サムソンは8回裏にKTの2番手パク・シヨンから8番キム・ジチャンがヒットで出塁するも、代わったKTの3番手キム・ジェユンが後続を断った。

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中2日ながら7回無失点に抑えたクエバス(KT)

 

 サムソンは9回表途中から3番手オ・スンファン(元阪神)を登板させ追加点を防いだ。キム・ジェユンは9回裏も無失点に抑え、KTが1位決定戦で勝利し2015年の本格的な一軍参入から7年目にして初のレギュラーシーズン優勝、そして初の韓国シリーズ(11月14日第1戦を予定)出場を決めた。2019年よりKTを率いるイ・ガンチョル監督にとっても3年目で初の韓国シリーズでの采配をとることになった。

 両チーム2安打ずつの投手戦で、10月28日のNC戦で7回2失点と好投したクエバスが中2日ながらも7回99球で無失点、奪三振8と完ぺきな投球を見せチームを韓国シリーズ出場に導いた。KTは2020年にレギュラーシーズン2位で初めてポストシーズンに出場するもプレーオフでトゥサンに敗れ韓国シリーズ出場を逃していたが、2021年は初優勝を狙える大舞台へと進出することができた。

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KTレギュラーシーズン初優勝の歓喜の瞬間 https://sports.news.naver.com/news?oid=421&aid=0005692560

 

 一方、サムソンは打線がチャンスを生かしきれず6回を1失点に抑えたウォン・テインを援護できなかった。2011年から2014年まで韓国シリーズ4連覇、2015年に5連覇を逃すと以降5年間低迷が続き、2021年は6年ぶりにポストシーズンへ進出することができたサムソンは2位となり、ポストシーズンプレーオフ(11月9日第1戦を予定)から出場し、準プレーオフ勝者(LG-ワイルドカード決定戦勝者)と韓国シリーズ出場をかけて対戦する。

 

 4月3日に開幕した2021年レギュラーシーズンは、7月から8月にかけて1年延期されていた2020年東京オリンピック野球などの理由で1か月程度中断したが、144試合を終えた後の1位決定戦までもつれ込む大混戦の末、KTウィズの初優勝で幕を閉じた。年間総合優勝を決める2021年ポストシーズンは11月1日、ワイルドカード決定戦:トゥサン-キウムで開幕する。

 

 (文責 : ふるりん