新監督の下で4年連続ポストシーズン進出へ
2020年は混戦の優勝争いを勝ち抜けず、レギュラーシーズン5位で3年連続ポストシーズンに進出するもワイルドカード決定戦で敗れたキウムヒーローズ。シーズン途中の10月に突如ソン・ヒョク監督が辞任する混乱で失速した感が否めず、2021年1月に就任したホン・ウォンギ新監督のもと巻き返しを図り4年連続ポストシーズン進出、そして韓国シリーズ初優勝を目指す。
【投手陣】
〈先発〉
△ヨキシュ、◎スミス、チェ・ウォンテ、アン・ウジン、△イ・スンホ、ハン・ヒョンヒィ
〈リリーフ〉
キム・テフン、△イ・ヨンジュン、△キム・ジェウン、キム・ソンギ、ヤン・ヒョン、△キム・ソンミン、△オ・ジュウォン、チョ・サンウ
注 : △は左腕
先発投手陣の軸は2020年に最優秀防御率(2.14)の個人タイトルを受賞した韓国3年目の外国人選手ヨキシュとなる。新外国人選手の右腕スミスも先発投手陣を支えることが期待されている。韓国人選手の先発投手では24歳のチェ・ウォンテが中心となるであろうが、故障が多いのが難点である。そのため22歳の左腕イ・スンホ、21歳の右腕アン・ウジンと若手のさらなる成長が優勝争いに残るためには欠かせない。また2019年までキウムの監督だったチャン・ジョンソク元監督の子息、高卒新人チャン・ジェヨンが注目を集めている。
リリーフ陣は最多セーブ(33)の個人タイトルを受賞した26歳のチョ・サンウが軸となる。FA(フリーエージェント)となったキム・サンスがサインアンドトレードでSK(現SSG)へ移籍したが、依然として左右ともに層が厚い。ただし、2020年シーズン後半と同じように、先発投手陣が相次いで離脱した場合、リリーフ陣の早めの細かい継投でしのぐことになるようだと疲労が蓄積し崩壊してしまう恐れがある。
【打撃陣】
〈先発予想〉
捕手:パク・トンウォン
一塁:パク・ピョンホ
二塁:ソ・ゴンチャン
三塁:△キム・ウンビン
遊撃:△キム・ヘェソン
外野:△イ・ジョンフ、△パク・チュンテ、◎△イ・ヨンギュ
指名:◎フレイタス
〈控え〉
(捕手) イ・ジヨン、キム・ジェヒョン
(内野手) チョン・ビョンウ、キム・ジュヒョン、シン・ジュヌ、キム・スファン
(外野手) △パク・チョンウム、△パク・チュホン、△ピョン・サングォン、ホ・ジョンヒョプ
注 : ◎は新加入、△は左打者。
ポスティングでMLB・サンディエゴパドレスへ移籍した大型内野手キム・ハソンの空白を埋めなければならない。守っていたショートには二塁から22歳のキム・ヘェソンが転向し、31歳のベテランのソ・ゴンチャンが指名打者から二塁へ入ることになりそうである。2020年はラッセルなどが機能しなかった外国人選手は、MLBでは捕手として出場した新外国人フレイタスが中軸で結果を残すと、2020年は故障で不振だった4番打者パク・ピョンホへの負担が減り打線が協力となる。
まだ21歳のイ・ジョンフは2020年、49本と二塁打のプロ野球シーズン記録を更新し、プロ入り後の4年間で716安打とプロ野球界を代表する打者へと成長を遂げた。ハンファから自由契約となり移籍した35歳のイ・ヨンギュも衰えぬ打撃と快足で新天地で健在ぶりを示したい。実績のある選手たちが並ぶ主力と比べ、控えの層が薄いのが難点である。
2008年の球団創設以降、大企業を運営母体に持たないため他球団と比べ資金力が弱く独自の方針で選手を育成し、上位に進出するシーズンも多いキウムヒーローズ。一方でフロントや一部の選手たちにより、グラウンド外での騒動が記事になるなど球団内では混乱が続いている。球団運営を安定させ才能ある選手たちを活かせるか、一軍での監督は初となるホン・ウォンギ新監督へ課せられた使命は重い。
【本拠地】
ソウル・高尺スカイドーム
ソウル市内南西部の韓国初のドーム型野球場・高尺(コチョク)スカイドーム2016年よりネクセンヒーローズの本拠地となり、2019年のキウム改称後もそのまま利用されている。アマチュア野球の大会や、人気アイドルグループや国外からのバンドなどによる公演など多目的に利用されている。2017 WBC(ワールドベースボールクラシック)、2019 WBSCプレミア12など国際大会の会場ともなってきた。
内野は大きく上段と下段に分かれている。球場内通路にも売店はあるが、ボール型のモニュメントがある球場の正面広場の向かい側などに商店街があるため、観戦前後の買い物や食事やには困らない。ソウル市内ということで、蚕室野球場と同じく一塁側のキウム応援席だけでなく三塁側の遠征チームの応援席もにぎわっている。
[交通アクセス]
首都圏電鉄京仁線・九一(クイル)駅から徒歩5分。
(文責:ふるりん)