DAILY KOREAN PRO BASEBALL 2

1982年に発足し、2024年時点で10球団が加盟する韓国野球委員会(KBO)による韓国のプロ野球リーグ(通称KBOリーグ)に関するブログ。レギュラーシーズン、ポストシーズン(韓国シリーズなど)の試合速報や球団別の情報、現役プロ選手が含まれる野球韓国代表が出場する国際大会の情報などもお伝えします。 twitter : @kbodigest

ポストシーズン速報(11.24)

NC、韓国シリーズ初優勝

2020年 韓国シリーズ 第6戦

トゥサン 2-4 NC  (ソウル・高尺)

(勝)ルチンスキー 2勝1S  (セーブ)ウォン・ジョンヒョン 2S  (敗)アルカンタラ 2敗

 

 NCが3勝2敗と初優勝まであと1勝となった韓国シリーズ第6戦は、中立地の高尺スカイドームで開催された。

 

 トゥサンは1回表にNCの先発ルチンスキーから2番チョン・スビンのヒット、4番キム・ジェファンへの四球でチャンスを作るも無得点に終わった。NCも1回裏にトゥサンの先発アルカンタラから3番ナ・ソンボムがチーム初ヒットを記録するもチャンスにはならなかった。トゥサンは2回表にも6番フェルナンデスと8番パク・コヌのヒット、9番パク・セヒョクへの死球で満塁とするもまたもや無得点だった。NCは3回裏に9番クォン・ヒィドンの二塁打でチャンスを作るも無得点だった。トゥサンは4回表にフェルナンデスと7番オ・ジェイルの連打で無死二、三塁とチャンスを作るも、どうしても先制点が奪えなかった。

 トゥサンは5回表にチョン・スビンがヒットで出て二塁へ盗塁を成功させチャンスを作るもこれも行かせなかった。NCは5回裏にクォン・ヒィドンと1番パク・ミヌの連打でチャンスを作ると、2番イ・ミョンギのタイムリーで1点を先制した。NCの2番手ライトは6回表を無失点に抑えた。NCは6回裏に6番パク・ソンミンのタイムリーで1点を追加しアルカンタラをノックアウトすると、代わったトゥサンの2番手パク・チグクから満塁のチャンスを作り、3番手イ・スンジンからパク・ミヌのタイムリーで2点を追加した。トゥサンは7回表にライト、代わったNCの3番手イム・ジョンホから連続死球でチャンスを作ると、4番手キム・ジンソンから4番キム・ジェファンの内野ゴロの間に1点、5番キム・ジェホのタイムリーで1点ずつを返した。

 NCの5番手ソン・ミョンギは8回表を無失点に抑えた。NCは8回裏にイ・スンジン、代わったトゥサンの4番手キム・ミンギュから8番カン・ジンソンとクォン・ヒィドンの連打でチャンスを作るも追加点を奪えなかった。6番手ウォン・ジョンヒョンは9回表を三者凡退に抑え、NCが勝利し対戦成績4勝2敗で2013年の一軍参入後初の韓国シリーズ優勝を成し遂げた。

f:id:takefumif:20201125001051j:plain

NC初優勝決定の瞬間 https://sports.news.naver.com/news.nhn?oid=028&aid=0002521523

 5回を無失点に抑えたルチンスキーは韓国シリーズで2勝目。NC打線ではクォン・ヒィドンが3安打と活躍。2009年頃からのプロ野球人気上昇で球団拡張が実行され、2011年に9番目の球団として創設されたNCダイノスは、積極的な補強と選手育成でついに頂点の座に上り詰めた。韓国シリーズMVP(最優秀選手)には正捕手ヤン・ウィジが選ばれた。トゥサン在籍時の2016年以来2度目で、史上初めて違うチームで韓国シリーズMVPに選ばれた選手となった。。試合後の優勝セレモニーでは経営母体のNCソフトが用意したオンラインゲームで登場する剣、そして優勝トロフィーが掲げられ、就任2年目で韓国シリーズ優勝に導いたイ・ドンウク監督が宙に舞った。

f:id:takefumif:20201125000236j:plain

f:id:takefumif:20201125000604j:plain

f:id:takefumif:20201125000247j:plain

 

 2年連続7度目の優勝を目指したトゥサンはレギュラーシーズン3位ながら準プレーオフプレーオフを勝ち抜き6年連続韓国シリーズ出場を果たしたが、第3戦8回裏から第6戦6回表まで25イニング連続無得点の韓国シリーズ新記録を塗り替えてしまうなど、得点力不足で敗れてしまった。2015年から2019年まで3度の韓国シリーズ優勝と安定していた強さを誇ったが、若手野手の台頭がなくポストシーズンでは固定された選手で戦い続けたために不振に陥っても代わりの選手がおらず、チームが活性化しなかった。

 

 感染症の拡大により3月の示範競技は中止、レギュラーシーズン開幕は1か月以上遅れ5月5日に開幕、オールスター戦は開催されず、大半の試合は無観客と異例尽くしだった2020年シーズンはNCダイノスの初優勝で幕を閉じた歴史的な1年となった。例年よりも遅い時期にシーズンを終了した各チームの選手たちはつかの間の休息を終えた後、2021年シーズン(開幕日などは未定)に向けて準備を始めると思われる。次の春に無事プロ野球が開幕することを願うばかりである。

 

(文責:ふるり