2年ぶりの韓国シリーズ優勝へ
2019年はレギュラーシーズン途中まで首位を独走しながら9月以降に失速、最終戦でトゥサンに優勝を奪われるとプレーオフでキウムに敗れ、韓国シリーズ2連覇はならなかった。優勝争いの経験が不足していたヨム・ギョンヨプ監督は就任2年目に前年の雪辱を期し、2年ぶりの韓国シリーズ優勝を目指す。
【投手陣】
〈先発〉
◎キンガム、◎ピント、パク・チョンフン、ムン・スンウォン、△キム・テフン
〈リリーフ〉
パク・ミンホ、ソ・ジニョン、チョン・ヨンイル、△キム・テッキョン、△シン・ジェウン、△パク・ヒィス、ハ・ジェフン
注 : ◎は新加入、△は左腕
MLB・セントルイスカーディナルスへ移籍したエースのキム・グァンヒョン、日本プロ野球・読売へ移籍した外国人選手サンチェスの2人の穴をいかに埋めるかが先発投手陣の課題である。新外国人選手キンガムに新たな先発の軸としての期待がかかる。もう1名の外国人選手ピントは未知数である。韓国人選手ではアンダースローのパク・チョンフンが最も信頼できる先発である。また2019年はリリーフとして活躍してきた左腕キム・テフンが先発に転向する。
リリーフの柱は韓国1年目にして最多セーブ(36)を記録したハ・ジェフン(元東京ヤクルト)であり、勝ちパターンが確立されているのが大きい。手薄となった先発陣をどれだけ支えられるか、新戦力の台頭を待ちたい。
【打撃陣】
〈予想スタメン〉
捕手:イ・ジェウォン
一塁:ロマック
二塁:チェ・ハン
三塁:チェ・ジョン
遊撃:キム・ソンヒョン
外野:キム・ガンミン、△ コ・ジョンウク、△ ハン・ドンミン
指名:チョン・ウィユン
〈控え〉
(捕手) イ・ホング
(内野手) ◎ユン・ソンミン、◎△チェ・テイン、△キム・チャンピョン、チョン・ヒョン、△チェ・ジュヌ
(外野手) △ノ・スグァン、△チョン・ジンギ、×キム・ジェヒョン
注 : ◎は新加入、△は左打者、×は両打ち。
外国人選手ロマック、チェ・ジョン、ハン・ドンミンといった2018年の韓国シリーズ優勝に貢献した打者たちが主軸となる。本塁打が出やすい本拠地・仁川SK幸福ドリーム球場の特性を生かした打線が特徴的で、2020年シーズンも大きな変化はないであろう。キム・ガンミンなどのベテランが健在であるが若手の台頭に乏しい。
選手層が薄くなってきているため、37歳のチェ・テイン、34歳のユン・ソンミンと実績のある強打者を余剰戦力を対象とした2次ドラフトやトレードで獲得した。彼らをつなぎとして次代のSKを担う野手たちを育成していきたい。
2020年は戦力の大きな流出があったが大型補強はなかったため、現有戦力の底上げで韓国シリーズ優勝を狙う。2016年までのネクセン監督時代から選手の育成に定評のあるヨム・ギョンヨプ監督の手腕に期待したい。
【本拠地】
仁川SK幸福ドリーム球場
2002年に開場した、総天然芝の美しい野球場。韓国の首都圏・仁川(インチョン)広域市の東部にそびえる文鶴(ムナク)山の北側に位置し、周囲には2014年仁川アジア競技大会が開催された大型の競技場や水泳場などもある。
韓国の他のプロ野球本拠地に先駆けて現代的なボールパークとして整備され、球場内の通路には子供のための遊戯施設もある。レフト外野に芝生席の「グリーンゾーン」も設置されるなど、地球にやさしい「グリーンスポーツ」もテーマとしている。センター外野上の電光掲示板「ビッグボード」は63m、高さ18mと韓国の野球場では最大級の迫力である。
座席はレフト側の芝生席以外にも内野のテーブル席、ライト側のバーベキュー席、外野最前列のカップル席など種類が豊富である。
[交通アクセス]
仁川交通公社1号線・文鶴競技場(ムナクキョンギジャン)駅から徒歩5分。駅出入口から仁川SK幸福ドリーム球場への街路はSKワイバーンスにちなむモニュメントなどが整備され、緑に囲まれたボールパークでの野球観戦を前にして高揚感を沸きたてられる。
(文責 : ふるりん)