DAILY KOREAN PRO BASEBALL 2

1982年に発足し、2024年時点で10球団が加盟する韓国野球委員会(KBO)による韓国のプロ野球リーグ(通称KBOリーグ)に関するブログ。レギュラーシーズン、ポストシーズン(韓国シリーズなど)の試合速報や球団別の情報、現役プロ選手が含まれる野球韓国代表が出場する国際大会の情報などもお伝えします。 twitter : @kbodigest

ポストシーズン速報(10.26)

2019年 韓国シリーズ 第4戦 

トゥサン、延長戦を制し4連勝で3年ぶりの優勝


トゥサン 11-9 キウム  (ソウル・高尺)
(勝)イ・ヨンチャン 2勝1S  (セーブ)ペ・ヨンス 1S  (敗)ブリガム 2敗

 

 トゥサンが3連勝で韓国シリーズ優勝まであと1勝とした韓国シリーズ第4戦は、キウムの本拠地・高尺スカイドームに満員の観客を集めて盛大に始まった。

 

 キウムは1回裏にトゥサンの先発ユ・ヒィグァンから先頭の1番ソ・ゴンチャンが安打で出塁し、相手のエラーと5番サンズのタイムリーで2点を先制した。トゥサンは2回表にキウムの先発チェ・ウォンテから先頭の4番キム・ジェファンが四球で出塁するも、5番フェルナンデスが併殺打に倒れた。しかし6番キム・ジェホが安打で出塁すると7番パク・セヒョク、8番ホ・ギョンミン、9番オ・ジェウォンの3者連続タイムリーで3-2と逆転した。キウムは2回裏に7番イ・ジヨンの安打、8番キム・ヘェソンへの四球、9番パク・チョンウムの安打で満塁とすると、1番ソ・ゴンチャンの2点タイムリーで4-3と逆転しユ・ヒィグァンをノックアウトした。さらにこの回、代わったトゥサンの2番手ハム・トクチュから3番イ・ジョンフのセーフティーバントや6番ソン・ソンムンへの押し出しの四球で2点、3番手キム・スンフェからイ・ジヨンのタイムリーでもう2点を追加した。

 トゥサンは4回表にキウムの2番手イ・スンホからパク・セヒョクが安打で出塁すると、代わった3番手ヤン・ヒョンからホ・ギョンミンのタイムリーで1点を返した。キウムは4回裏にトゥサンの4番手チェ・ウォンジュンからソン・ソンムンの二塁打でチャンスを作ったが無得点に終わった。トゥサンは5回表にキウムの4番手キム・ドンジュンから途中出場の1番クク・ヘソンと2番チョン・スビンの安打でチャンスを作り、代わった5番手アン・ウジンから3番オ・ジェイルのタイムリー、相手の暴投で2点を返した。さらに代わった4番手キム・サンスからホ・ギョンミンへの押し出しの四球で1点差とすると、オ・ジェウォンの2点タイムリーで9-8と逆転した。

 キウムは5回裏にトゥサンの5番手イ・ヒョンボムから2番キム・ハソンが安打で出塁するもチャンスには拡大しなかった。トゥサンは6回表にキウムの5番手イ・ヨンジュンからチョン・スビンの安打、オ・ジェイルの四球でチャンスを作るも、代わった6番手チョ・サンウは満塁まで広がったピンチで三者連続三振に抑えた。キウムは6回裏にソン・ソンムンの二塁打でチャンスを作るも同点には追いつけなかった。さらに7回裏にはトゥサンの6番手イ・ヒョンスンから代打キム・ギュミンが相手のエラーで出塁するも、代わった7番手ユン・ミョンジュンはソ・ゴンチャンを併殺打に抑えた。

 キウムの9番手ユン・ヨンサムは8回表まで追加点を与えなかった。トゥサンは9回表にキウムの10番手ブリガム(元東北楽天)からキム・ジェホが四球で出塁するも追加点は奪えなかった。キウムは9回裏にトゥサンの8番手イ・ヨンチャンからソン・ソンムンへの四球、代打キム・ウンビンの安打、代打パク・トンウォンへの四球で満塁のチャンスを作り、ソ・ゴンチャンの打球が相手のエラーを誘い2死で9-9の同点に追いつき、試合は延長戦に突入した。

 トゥサンは10回表にブリガムから先頭のオ・ジェウォンが二塁打でチャンスを作り、送りバントで三塁まで進んだ。2死となりオ・ジェイルのタイムリーで1点を勝ち越すと、代わったキウムの11番手オ・ジュウォンからキム・ジェファンのタイムリーで1点を追加した。10回裏途中から登板した9番手ペ・ヨンスは相手の反撃を断ち、トゥサンが延長戦を制し4連勝で2016年以来3年ぶり6度目の韓国シリーズ優勝を成し遂げた。そしてキム・テヒョン監督にとっては就任した2015年に続き2016年、そして2019年と3度目の韓国シリーズ優勝となった。

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トゥサン、3年ぶり6度目の韓国シリーズ優勝

 トゥサンはレギュラーシーズン最終戦でSKと同じ勝率で並び、直接対決で勝ち越していたため韓国シリーズへ直接出場し、前回の2016年の優勝と同じ4連勝で勝利した。しかし第1戦と第2戦はサヨナラ勝ち、完封勝利だった第3戦以外はすべて逆転勝ちと試合展開は劇的であり、5年連続で韓国シリーズに出場した中で養われた打線の集中力が最大の勝因となった。この第4戦ではオ・ジェウォンが3安打3打点、ホ・ギョンミンが3打点と活躍。なお韓国シリーズMVP(最優秀選手)は第4戦の決勝タイムリーなど4試合で6打点を記録したオ・ジェイルが受賞した。

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2019年韓国シリーズMVPオ・ジェイル(トゥサン)

 また38歳のペ・ヨンスはサムソン在籍時の2014年以来の韓国シリーズでの登板であったが、個人通算25試合目と韓国シリーズ史上最多の登板試合数を更新し、プロ20年目にして韓国シリーズ初セーブも記録し、思わぬ形で優勝に貢献した。

 

 敗れたキウムは準プレーオフプレーオフなど連戦の疲労もありリリーフが機能せず、守備のミスも目立ち念願の韓国シリーズ初優勝はならなかった。だがイ・ジョンフを中心とした選手の育成能力は高く、就任3年目でチームを韓国シリーズ出場に導いたチャン・ジョンソク監督にとっては実りある2019年シーズンとなった。

 

 

 こうして2019年のプロ野球ポストシーズンはトゥサンの優勝で幕を閉じたが、今後プロ選手28名から構成される野球韓国代表が11月6日より2019 WBSCプレミア12に出場し、2015年の前大会に続いて2連覇と2020年東京オリンピック出場権をかけて戦うことになる。すでにトゥサン、キウム以外の韓国代表選手たちは招集され練習を開始しており、韓国シリーズを終えたトゥサン、キウムの合計11名の韓国代表選手たちも近日中に合流し、11月1-2日、高尺スカイドームでのプエルトリコ代表との親善試合などで調整、11月6-8日オープニングラウンドCカナダ、オーストラリア、キューバと対戦)に出場する予定。

 

(文責:ふるりん