DAILY KOREAN PRO BASEBALL 2

1982年に発足し、2024年時点で10球団が加盟する韓国野球委員会(KBO)による韓国のプロ野球リーグ(通称KBOリーグ)に関するブログ。レギュラーシーズン、ポストシーズン(韓国シリーズなど)の試合速報や球団別の情報、現役プロ選手が含まれる野球韓国代表が出場する国際大会の情報などもお伝えします。 twitter : @kbodigest

2019年 シーズン展望 第6回 サムソンライオンズ

4年ぶりのポストシーズン進出、5年ぶりの韓国シリーズ優勝へ


 2018年は5位キアとは僅差の6位で惜しくもポストシーズン進出を逃し、2年連続9位に終わった前年までと比べ上昇ムードで終えることができた。このままさらにチーム力を向上させ、2015年以来4年ぶりのポストシーズン進出、2014年以来5年ぶりの韓国シリーズ優勝を目指す。

 


【投手陣】

〈先発〉 
◎ヘイリー、◎マクガイヤ、ユン・ソンファン、△ペク・チョンヒョン、△チェ・チェフン、チェ・チュンヨン

〈リリーフ〉
ウ・ギュミン、キム・スンヒョン、キム・デウ、チェ・ジグァン、クォン・オジュン、チャン・ピルジュン、△イム・ヒョンジュン
注 : ◎は新加入、△は左腕

 2019年シーズンも先発陣は外国人選手しだいとなる。ヘイリー、マクガイヤともに示範競技までは順調であるものの、今後は未知数である。信頼できる韓国人選手の先発投手が少なく、衰えが目立つ37歳のユン・ソンファンにもまだ頼らざるを得ない。プロ2年目の24歳のチェ・チェフン、22歳のチェ・チュンヨンなどの若手の成長が待たれる。高卒新人ながら2018年に7勝を記録した19歳のヤン・チャンソプが故障により復帰が未定なのが残念である。

 リリーフでは、抑えに中継ぎに活躍してきたが軍へ入隊したシム・チャンミンの穴をいかにして埋めるかが最大の課題である。過去の実績ではチャン・ピルジュンが抑えの有力候補であるが、21歳のチェ・ジグァンなどの若手にも期待したい。

 


【打撃陣】

〈先発予想〉

1.パク・ヘミン(中)△ 
2.ク・ジャウク(右)△ 
3.イ・ウォンソク(三)  
4.ラフ(一) 
5.キム・ドンヨプ(指)   
6.カン・ミンホ(捕)
7.キム・ホンゴン(左)
8.キム・サンス(二) 
9.イ・ハクチュ(遊) ◎  

〈控え〉
(捕手)クォン・ジョンウン、キム・ミンス
内野手)ソン・ジュイン、△キム・ソンヒョン、チェ・ヨンジン、ぺク・スンミン、キム・ジェヒョン
(外野手)△パク・ハニ、 △イ・ソンゴン、△パク・チャンド、△チェ・ソンホ


注:◎は新加入、△は左打者。

 打線の強化のため、ネクセン(現キウム)も含む3球団による大型トレードでSKからキム・ドンヨプを獲得した。2018年は27本塁打を記録した強打の右の外野手とチームの弱点を的確に補った。またMLB(メジャーリーグベースボール)傘下のマイナーリーグ四国アイランドリーグ・徳島など国外のチームに所属してきた守備に定評のある28歳のイ・ハクチュを新人2次ドラフトで指名し、内野の補強を図った。

 打線の軸は韓国3年目を迎えた強打の外国人選手ラフや、2017年にサムソンへ移籍してから打撃が開眼したイ・ウォンソクとなる。また下位には強打の捕手カン・ミンホもいる。2018年まで4年連続盗塁王のパク・ヘミン、中距離打者のク・ジャウクが作ったチャンスをキム・ドンヨプが加わった中軸で返す得点パターンが中心になりそうだ。

 
 低迷からの脱出の兆しが見える中、就任3年目となったキム・ハンス監督は2019年を勝負の年と位置づけているであろう。2014年まで韓国シリーズ4連覇、2015年までレギュラーシーズン5連覇を達成したころの強さを再現するのは容易ではないが、長い低迷期を迎えたことのないサムソンライオンズの誇りにかけても再び下位に低迷することは許されない。

 


【本拠地】
大邱サムソンライオンズパーク
 
 大邱(テグ)は韓国南東部にある人口250万人以上の韓国第4の都市である。広い盆地に位置し、リンゴの産地でもある。電子製品を中心に世界的な大企業となったサムソングループであるが、同グループ発祥の地ということでサムソンライオンズ大邱を本拠地としている。中心市街地から小さな峠を越えた東側に新築された大邱サムソンライオンズパークは、2016年に完成したまだ新しさの残る緑に囲まれたボールパークである。周囲には商店や食堂などは少ないが、非常によく、大邱都市鉄道(地下鉄)2号線・大公園(テゴンウォン)駅の目の前にあり交通の便はよい。グッズショップは球場の外側にあり、内部の通路沿いの売店も充実している。

 

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大邱サムソンライオンズパーク

 客席がサムソンのチームカラーの青に統一された特徴的なデザインの野球場には電光掲示板、観客席ともに最新鋭の設備が導入され、快適な観戦環境が提供されている。この野球場は西日が差し込まないようにするためホームが三塁側となっている。3塁側内野応援席の上には、過去の韓国シリーズ優勝を記念したプレートが掲げられ、1塁側ライトポール付近には2017年に引退した大打者イ・スンヨプ(元オリックス)の肖像画が描かれ、ボール型のモニュメントも置かれている。ファールグラウンドが狭くて内野席の臨場感もあり、他の韓国のプロ野球本拠地球状に見られない八角の形状である。


 なお、大邱から東へ約70kmの地方都市・浦項(ポハン)でも主催試合が開催されることがある。


[交通アクセス]
 大邱都市鉄道(地下鉄)2号線・大公園駅4,5番出入口の目の前にある。高速鉄道KTXが停車する東大邱駅前の複合乗換センターから大邱サムソンライオンズパーク方面への937番バで15〜20分程度。
 
(文責:ふるりん