DAILY KOREAN PRO BASEBALL 2

1982年に発足し、2024年時点で10球団が加盟する韓国野球委員会(KBO)による韓国のプロ野球リーグ(通称KBOリーグ)に関するブログ。レギュラーシーズン、ポストシーズン(韓国シリーズなど)の試合速報や球団別の情報、現役プロ選手が含まれる野球韓国代表が出場する国際大会の情報などもお伝えします。 twitter : @kbodigest

ポストシーズン速報(2018.11.12)

韓国シリーズ第6戦、SKが延長13回の激闘を制し8年ぶりの優勝

 

2018年 韓国シリーズ 第6戦

SK 5-4 トゥサン  (ソウル・蚕室)
(勝)ムン・スンウォン 1勝1敗  (セーブ)キム・グァンヒョン 1S  (敗)ユ・ヒィグァン 1敗
本塁打) SK : カン・スンホ 2号、チェ・ジョン 3号、ハン・ドンミン 4号


 SKが勝てば優勝となる韓国シリーズ第6戦は、トゥサンの本拠地・蚕室野球場に満員の観衆を集めて盛大に開始された。

 


  SKは1回表にトゥサンの先発イ・ヨンチャンから先頭の1番キム・ガンミン、2番ハン・ドンミン、3番チェ・ジョンへの連続四球で満塁のチャンスを作ると、4番ロマック(元横浜DeNA)の内野ゴロの間に1点を先制した。SKは2回表に先頭の7番チョン・ウィユンの二塁打でチャンスを作るが、代わったトゥサンの2番手イ・ヨンハに抑えられた。トゥサンは2回裏にSKの先発ケリーから先頭の4番ヤン・ウィジが四球で出るが進塁できず、3回裏には9番チョン・ジンホが四球で出るがホ・ギョンミンは併殺打に倒れた。SKは4回表にチョン・ウィユンがヒットで出ると、8番カン・スンホの本塁打で2点を追加した。
 トゥサンは4回裏に先頭の2番チョン・スビンが死球で出るが進塁すらできなかった。SKは6回表に先頭の5番パク・チョングォンの二塁打でチャンスを作ると、トゥサンは3番手パク・チグクを登板させ追加点を防いだ。するとトゥサンは6回裏にホ・ギョンミンとチョン・スビンへの連続四死球でチャンスを作ると、ここで3番チェ・ジュファンがようやくチーム初ヒットとなるタイムリーを打ち1点を返した。さらに4番ヤン・ウィジの2点タイムリーで3-3の同点に追いつき、SKはここで2番手キム・テフンをマウンドに送った。そしてトゥサンの5番パク・コヌは併殺打に倒れ逆転はならなかった。
 SKは7回表に先頭のキム・ソンヒョンがヒットで出るも、代わったトゥサンの4番手ハム・トクチュがチェ・ジョンに四球を許したものの勝ち越し点を与えなかった。SKは8回表に代打ナ・ジュファンのヒット、カン・スンホへの四球でチャンスを作ると、キム・ソンヒョンのヒットで勝ち越すかに思えたがセンターのチョン・スビンからの好返球により本塁で憤死となった。トゥサンは8回裏にチョン・スビンへの四球、チェ・ジュファンのヒットでチャンスを作ると、代わったSKの3番手チョン・ヨンイルからヤン・ウィジの犠牲フライで4-3と逆転した。しかしここで代走チョ・スヘンが盗塁に失敗しチャンスは拡大しなかった。
 SKは9回表2死走者なしの場面で、トゥサンの5番手リンドブロムからチェ・ジョンの本塁打で4-4の同点に追いついた。9回裏はチョン・ヨンイルが三者連続三振を奪いトゥサンは無得点に終わり、試合は延長戦に突入した。トゥサンの6番手キム・スンフェは10回表を三者凡退に抑えた。トゥサンは10回裏にホ・ギョンミンがヒットで出ると、代わったSKの4番手キム・テッキョンからチョン・スビンのヒットでチャンスを拡大するも得点できなかった。SKは11回表にカン・スンホとキム・ガンミンの四球でチャンスを作ると、代わったトゥサンの7番手イ・ヒョンスンからチェ・ジョンが四球を選び満塁とするも得点できなかった。
 SKは11回裏に5番手ユン・ヒィサンを登板させ、さらに6番手ムン・スンウォンを登板させるも6番オ・ジェウォン、7番キム・ジェホの連続ヒットでトゥサンがまたもやチャンスを迎えた。しかしここも無得点に終わった。SKは12回表にイ・ジェウォンがヒットで出るもチャンスとはならなかった。しかしSKは13回表にトゥサンの8番手ユ・ヒィグァンからハン・ドンミンの本塁打で1点を勝ち越した。トゥサンの9番手カン・ドンヨンは追加点を与えなかった。

 SKは13回裏に7番手キム・グァンヒョンを登板させ無失点に抑え、8年ぶり4度目の韓国シリーズ優勝を成し遂げた。レギュラーシーズン2位でプレーオフを勝ち抜いて韓国シリーズへ出場し優勝したのは、現行のポストシーズン制度では1989年のヘテ(現キア)以来29年ぶりとなった。またSKのトレイ・ヒルマン監督(元北海道日本ハム)は史上初めて外国人監督として韓国シリーズ優勝となった。韓国シリーズMVP(最優秀選手)には第6戦での決勝本塁打を打ったハン・ドンミンが選ばれた。



(13回表の決勝本塁打で韓国シリーズMVPを受賞したハン・ドンミン。)


(13回裏、2010年と同じようにキム・グァンヒョンが抑えて韓国シリーズ優勝を決めた。)


 トゥサンはレギュラーシーズンで2位SKに14.5ゲーム差と大きく引き離して優勝したが、本塁打・打点の個人タイトルに輝いた主砲キム・ジェファンが負傷で第3戦以降負傷で欠場を続け打線の軸が不在となり、守備でのミスも目立ち苦しい戦いを強いられてしまった。また右のリリーフのキム・ガンニュルが韓国シリーズを前にしての調整段階で負傷してしまい欠場したのも響き、大方の圧倒的有利との予想を裏切り2016年以来の2年ぶりの韓国シリーズ優勝はならなかった。トゥサン打線ではヤン・ウィジが3打点と活躍。

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 2018年のプロ野球ポストシーズンは、2000年の球団創設から2010年までの間に3度の韓国シリーズ優勝を遂げその後やや低迷したものの、狭い本拠地球場ならではの本塁打攻勢を得意とした打線を前面に押し出し、エースのキム・グァンヒョンなどの過去の栄光を知る選手たちが大舞台で輝き、MLB(メジャーリーグベースボール)でも監督経験のある外国人監督トレイ・ヒルマン監督の指揮により一丸となったSKワイバーンスの優勝で幕を閉じた。なお、トレイ・ヒルマン監督は家庭の事情によりこの2018年ポストシーズン終了後の辞任を表明している。