DAILY KOREAN PRO BASEBALL 2

1982年に発足し、2024年時点で10球団が加盟する韓国野球委員会(KBO)による韓国のプロ野球リーグ(通称KBOリーグ)に関するブログ。レギュラーシーズン、ポストシーズン(韓国シリーズなど)の試合速報や球団別の情報、現役プロ選手が含まれる野球韓国代表が出場する国際大会の情報などもお伝えします。 twitter : @kbodigest

ポストシーズン速報(2018.10.15)

2018年ポストシーズンワイルドカード決定戦:ネクセン-キアより10月16日開幕
 

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 年間総合優勝を決める2018年プロ野球ポストシーズンが、10月16日(火)から始まる。

 ポストシーズンは10チーム中レギュラーシーズン上位5チームが出場する。最初に4位のネクセンが5位のキアと対戦するワイルドカード決定戦(最大2試合)が10月16日18時半より、ネクセンの本拠地・高尺スカイドームソウル特別市)で開始される。なお、ネクセンは16日の第1戦に勝利した時点で、10月19日(金)に第1戦が予定されるレギュラーシーズン3位・ハンファとの準プレーオフへの進出が決まる。キアは第1戦に勝っても17日18時半からの第2戦(高尺)にも勝たないと、準プレーオフへ進出することはできない。延長15回を終えて引き分けの場合はレギュラーシーズン上位であるネクセンの勝利とみなされ、15回表にキアが得点できなかった場合は15回裏のネクセンの攻撃は行われない。


 レギュラーシーズン3位・ハンファワイルドカード決定戦勝者とのプレーオフ、同2位・SKと準プレーオフ勝者とのプレーオフ(10月27日に第1戦を予定)は、ともに5試合で先に3勝したほうが勝ち抜けとなる。レギュラーシーズン1位・トゥサンプレーオフ勝者との韓国シリーズ(11月4日に第1戦を予定)は、7試合で先に4勝したほうが年間総合優勝となる。なお、雨天などにより試合が順延された場合は、その後の日程も順延となる。


 ワイルドカード決定戦の前日となる15日、会場の高尺スカイドームメディアデーが開催され、ネクセンのチャン・ジョンソク監督とパク・ピョンホ、イ・ジョンフ、キアのキム・ギテ監督とアン・チホン、キム・ユンドンが出席した。席上で第1戦の予告先発はネクセンがブリガム(※1試合・11勝7敗・防御率3.8)、キアがヤン・ヒョンジョン(※29試合・13勝11敗・防御率4.15)と発表された。両チームはポストシーズンでは初対戦である。

2018年レギュラーシーズンの成績

 

 2年ぶりにポストシーズンへ進出したネクセンは、MLBミネソタツインズとの契約を破棄して復帰した主砲パク・ピョンホが113試合のみの出場だったが43本塁打、112打点と活躍した。そのほか20歳のプロ2年目ながらリーグ3位の打率.355を記録したイ・ジョンフ、19歳のプロ2年目でリーグ3位の31盗塁を記録したキム・ヘェソン、強打のショートのキム・ハソンなど若い主力野手の活躍がチームを活性化し、ソ・ゴンチャン、イ・テックンのような経験豊富な選手も控えている。また8月に契約した外国人野手サンズは打撃、外野守備ともに貢献度が高かった。
 先発投手では22歳ながらチーム最多の13勝を記録したチェ・ウォンテが8月末に出場したジャカルタパレンバンアジア競技大会での故障により9月以降登板できず、ワイルドカード決定戦の出場選手登録からも外れた。そのため第1戦で先発するブリガム(元東北楽天)、シーズン途中の6月から加入したハッカーの両外国人投手が先発の柱となる。リリーフではチーム最多の18セーブを記録したキム・サンス、リーグ2位の24ホールドのイ・ボグン、15ホールドの左腕オ・ジュウォンが中心となるが、あまり層は厚くない。

 
 サムソン、ロッテなどとの熾烈な5位争いを制してポストシーズン進出を決めたキアは、2017年の韓国シリーズ優勝チームながらその強さを感じさせなかった。2017年はともに20勝を記録したヤン・ヒョンジョンは13勝、外国人投手ヘクターは11勝と合計24勝にとどまった。第1戦で先発するヤン・ヒョンジョンは故障により10月3日のサムソン戦がレギュラーシーズン最後の登板となり、状態に不安を抱えている。第2戦までもつれた場合はヘクターが先発すると思われるが、9月中にポストシーズン進出が決まっていたネクセンと違い、直前まで気の抜けない戦いが続いていたキアはポストシーズンに余裕をもって臨むことはできなかった。
 キアの打線は2017年と比べても遜色がない。シーズン途中から4番を任されるようになったアン・チホン、元4番打者のチェ・ヒョンウ、外国人打者バーナディーナ、ナ・ジワン、イ・ボムホ(元福岡ソフトバンク)と、レギュラーシーズンで20本塁打以上の打者が5人もそろう。得点力は高く、先発が試合を作っても最大の課題は抑えである。終盤抑えを任されたユン・ソンミンは11セーブを記録したが失敗も目立った。中継ぎでは右のキム・ユンドン、左のイム・ギジュンが柱となったが、層は厚くはなく、レギュラーシーズン後半は先発に回った42歳のイム・チャンヨン(元東京ヤクルト)の肝心な場面でのリリーフ起用も予想される。

 
 1勝すれば準プレーオフへ進出できるネクセンがチーム状態の面から見ても圧倒的に有利であるが、史上最多の11回目となる2017年韓国シリーズ優勝を果たしたキアがどれだけ誇りをもって戦えるかに注目したい。