DAILY KOREAN PRO BASEBALL 2

1982年に発足し、2024年時点で10球団が加盟する韓国野球委員会(KBO)による韓国のプロ野球リーグ(通称KBOリーグ)に関するブログ。レギュラーシーズン、ポストシーズン(韓国シリーズなど)の試合速報や球団別の情報、現役プロ選手が含まれる野球韓国代表が出場する国際大会の情報などもお伝えします。 twitter : @kbodigest

  プレーオフ : トゥサン−NC 展望

 
 韓国シリーズ3連覇を狙うトゥサンは、レギュラーシーズン前半はキアに独走を許していたが、7月以降は47勝21敗2分けの勝率.691と好調を維持し、9月末の一時期はキアと同率で首位に並んだが10月3日の最終戦で敗れ2ゲーム差の2位で終わった。しかしながらこの勢いをポストシーズンでも維持したいところだ。

 トゥサン投手陣はベテランの外国人投手ニッパート、左腕チャン・ウォンジュンがレギュラーシーズンではチーム最多勝(14勝)で、この2人が先発の軸となる。他には技巧派左腕ユ・ヒィグァン(11勝)、故障により2016年ほど活躍できなかった外国人投手ボウデン(元埼玉西武)が先発として起用される見込み。2016年の韓国シリーズ優勝の立役者となった4人の先発投手が2017年のポストシーズンでどれだけ試合を支配できるかが注目される。22歳ながら先発として起用され9勝を記録した左腕ハム・トクチュはロングリリーフとして起用されると思われる。
 リリーフ陣はやや不安が残る。チーム最多セーブ(22)を記録したイ・ヨンチャンが調子を落としたため、チーム最多登板(70)を記録したキム・ガンニュルがレギュラーシーズン終盤同様抑えとして起用されると思われる。中継ぎ陣は右のキム・スンフェとキム・ソンベ、左のイ・ヒョンスンとベテラン勢が中心となるが、初のポストシーズンとなるキム・ミョンシンやパク・チグクなどの新人にも期待がかかる。
 

 トゥサン打線は2016年同様の破壊力を維持した。広い蚕室野球場を本拠地としていてもレギュラーシーズンで20本塁打以上の打者が4人誕生した。特にチーム最多本塁打(35)・打点(115)のキム・ジェファンは不動の4番としてさらに存在感を増した。そのほかにも2年目の外国人打者エバンス(27本塁打・元東北楽天)、左の大砲オ・ジェイル(26本)、走攻守そろった外野手パク・コヌ(20本塁打・20盗塁)が打線の中軸を任され、内野ではホ・ギョンミンやチェ・ジュファン、リュ・ジヒョク、オ・ジェウォン、外野ではミン・ビョンホンなどが脇を固め上位から下位まで切れ目のない打線が構成されている。また正捕手ヤン・ウィジも攻守の大黒柱としてチームを引っ張っている。

 
 対するNCは2011年までトゥサンを率いていたキム・ギョンムン監督が、古巣相手にポストシーズン3度目の対戦でようやく勝利を収められるかであるが、10月5日からSKとのワイルドカード決定戦、ロッテとの準プレーオフと合計6試合を戦ってきた疲労は隠せなくなっていると思われる。第1戦の予告先発はエース格の外国人投手ハッカーではなく22歳の若手チャン・ヒョンシクであり不安は大きいが、ロッテとの準プレーオフ第2戦で惜しくも敗戦投手となったが7回1失点と好投した。第2戦はこれまでのポストシーズンで先発としての役割を果たせていない外国人投手マンシップが起用されると思われるが、本拠地・馬山に戻りハッカーが先発できる第3戦まで何とか持ちこたえたい。幸いキム・ジンソン、ウォン・ジョンヒョン、イ・ミンホ、イム・チャンミンからなるリリーフ陣は機能している。
 NC打線に関しては、ポストシーズンで不調の外国人打者スクラッグスが第5戦で決勝タイムリーと復調気味で、ナ・ソンボム、パク・ミヌ、モ・チャンミンなど他の主力選手たちも自身の役割を果たしている。イ・ジョンウク、ソン・シホンの37歳のベテランだけでなく、2017年シーズン限りでの現役引退を表明した41歳のイ・ホジュンが精神的支柱となり、これまでになく厳しい戦いにおいてチームをまとめ上げていくと思われる。
 

 チームの総合力や状態を考えるとトゥサンが圧倒的に有利であるが、4年連続ポストシーズン進出でさらなる高みにチームを押し上げていくためにも、NCの健闘にも期待したい。
(文責:ふるりん