2015年は一軍参入3年目にして初のプレーオフ進出を果たしたが、2年連続で公式戦で下の順位だったチーム相手にポストシーズン敗退と歴史の浅いチームの限界も見せてしまった。オフシーズンは優勝を争ったサムソンからFAで主力打者のパク・ソンミンを引き抜き補強に成功した。2016年シーズンは初の韓国シリーズ進出への期待がかかる。
【投手陣】
〈先発〉
ハッカー、スチュアート、イ・ジェハク、イ・テヤン、イ・ミンホ
〈中継ぎ〉
チェ・グムガン、キム・ジンソン、△ソン・ジョンウク、△イム・ジョンホ、△ミン・ソンギ、△ク・チャンモ、◎キム・ソンギュ
〈抑え〉
イム・チャンミン
注 : ◎は新加入、△は左腕
2015年最多勝(19勝)のハッカー、6月入団ながら8勝と活躍したスチュアートの両外国人投手、3年連続2ケタ勝利のイ・ジェハク、2015年初の2ケタ勝利をあげたイ・テヤンと、先発陣は頭数がそろっている。だが11勝しながらも2016年で41歳という年齢を考え引退したソン・ミンハンの穴を埋めないといけない。プロ5年目を迎える22歳のイ・ミンホが新たなエースに成長することが期待される。
2015年シーズン、31セーブで抑えに定着した抑えのイム・チャンミンを軸に、リリーフ陣は質も量も高い。これに示範競技でも起用されている左腕チェ・ソンヨン、右腕パク・チュニョンなど高卒新人の若手投手2人が加わってくると、さらに強力な投手陣が構成されていくであろう。
【打撃陣】
〈ベストオーダー〉
1.パク・ミヌ(二) △
2.イ・ジョンウク(中) △
3.ナ・ソンボム(右) △
4.テームズ(一) △
5.パク・ソンミン(三) ◎
6.イ・ホジュン(指)
7.ソン・シホン(遊)
8.キム・テグン(捕)
9.キム・ジョンホ(左) △
〈控え〉
(捕手) ヨン・ドカン、パク・クァンヨル
(内野手) △チョ・ヨンフン、チ・ソックン、チョ・ピョンホ、モ・チャンミン、イ・チャンソプ
(外野手) キム・ソンウク、キム・ジュヌァン、△ユン・ビョンホ、△カン・グソン
注 : △は左打者。
2015年シーズン、プロ野球史上初の40本塁打・40盗塁を達成したテームズ、チームの顔に成長した強打のナ・ソンボム、ベテランのイ・ホジュンと100打点トリオに、パク・ソンミンが加わり打線は強力になった。パク・ミヌ、イ・ジョンウク、キム・ジョンホとチャンスメイカータイプもそろい、長打力も機動力もある打線が構成されている。ただし控えの選手層が薄く、優勝争いに残るためには固定メンバーで戦う必要があり、シーズン後半に疲労がたまり失速する可能性も否定できない。
短期間で2年連続のポストシーズン進出と結果を出し、さらなる成長と成果が期待されるNCダイノス。真の強豪として認められるため、一軍参入4年目の2016年シーズン、球団創設から指揮をとり続けているキム・ギョンムン監督は初の韓国シリーズ進出・優勝でプロ野球の歴史に新たな一ページを刻むことができるのであろうか。
【本拠地】
馬山総合運動場野球場
韓国南東部にある馬山(マサン)の街は古代より港町として栄え、1970年代から自由貿易地帯として韓国の経済発展を支えた。そして2010年近隣の昌原(チャンウォン)、鎮海(チンヘ)といった都市と合併して誕生した昌原総合市の一部となった。街の中心部のそばに野球場があり、2010年までロッテの準本拠地として利用され、以前はロッテファンが多かったが、新しい地元チームのNCダイノスの誕生により野球ファンの層が拡大した。2016年9月より、隣の競技場を解体して新球場を建設することになった。早ければ2019年シーズンより新本拠地へ移転する。
野球場自体は古いが、NCダイノスの創設に合わせて大幅にリニューアルされ座席の種類も豊富で売店も多い。観客席の傾斜が急で、上部からも臨場感あふれる観戦が楽しめる。NCの応援ステージはライト外野席にあり、内野1塁側にもチアリーダーがいて応援を盛り上げている。
[交通アクセス]
ソウルからKTXの直通列車で馬山駅まで約3時間。馬山やその先の晋州(チンジュ)方面は釜山行と比べて本数が多くないので注意。駅からはタクシーで10分弱。
また徒歩10分ほどで馬山高速バスターミナルがあり、ソウル方面へのバスも発着している。釜山方面への市外バスターミナルへはタクシーで10分程度。
(文責 : ふるりん)