DAILY KOREAN PRO BASEBALL 2

1982年に発足し、2020年時点で10球団が加盟する韓国野球委員会(KBO)による韓国のプロ野球リーグ(通称KBOリーグ)に関するブログ。レギュラーシーズン、ポストシーズン(韓国シリーズなど)の試合速報や球団別の情報、現役プロ選手が含まれる野球韓国代表が出場する国際大会の情報などもお伝えします。 twitter : @kbodigest

  韓国シリーズ : SKワイバーンズ−サムソンライオンズ

 2000年代に3度韓国シリーズで優勝したサムソンと、同じく2度優勝したSKは、韓国シリーズでは初対決となる。ポストシーズンでの対戦は2003年の準プレーオフ以来2度目で、このときは公式戦4位だったSKが、同3位のサムソンを2勝0敗でやぶり、球団史上初となる韓国シリーズまで駒を進めた。
 サムソンは2005,06年に韓国シリーズを2連覇したあと過渡期に入りポストシーズンプレーオフに進出するのがやっとだったが、2010年シーズンは近年進めていた世代交代がうまく行ったこともあり、公式戦2位でトゥサンとのプレーオフを勝ち抜き、4年ぶり12度目(史上最多)の韓国シリーズ出場を決めた。サムソンの低迷と入れ替わるかのように、SKは2007年球団史上初の韓国シリーズ優勝を成し遂げ、2008年には2連覇し、2009年こそキアに優勝を譲ったが、2010年は公式戦1位で4年連続5度目の韓国シリーズ出場と、近年の実績は他球団を圧倒している。以上の点を踏まえると、今回の韓国シリーズは韓国プロ野球の新旧王者対決とも言える。

 SKの特徴は何と言っても堅実で隙のない野球である。チーム防御率(3.71)は8球団中1位、失点(545)は最少と、投手陣がしっかりしている。その中心はまだ22歳の若きエース、左腕キム・グァンヒョンだ。2010年シーズンは17勝をあげ自身2度目の最多勝投手となり、要所で三振を奪う力強い投球は健在である。それに続くのは右の先発の柱となった外国人投手・門倉(元読売)で、自己最多の14勝と37歳で円熟期を迎えている。ただそれに続く先発が弱く、シーズン途中で抑えに転向したイ・スンホ(背番号20)、故障から復帰したばかりの外国人投手グローバー(元読売)などが起用されると思われる。
 SKの強みは豊富なリリーフ陣だ。右のチョン・デヒョン、ソン・ウンボム、左のチョン・ウラム、チョン・ビョンドゥなどの小刻みな継投が特徴で、アンダースローサイドスローなども混じっていて目線を変えられるので、相手に的を絞らせることができない。絶対的な守護神はいないものの、シーズン終盤はソン・ウンボムが抑えを任されることが多かった。リリーフで8勝をあげた左のコ・ヒョジュンが韓国シリーズには出場できないのが少し気がかりだ。

 SK打線はチーム打率(.274)が8球団中4位、得点(704)は同3位、本塁打数(120)は同4位と、圧倒するような力はない。ただチーム盗塁数が161が8球団中2位、犠打は1位(191)と、機動力を使った卒のない野球をしてくる。チーム最多盗塁はチョン・グヌの33個だが、2桁盗塁を記録した選手が6人と上位から下位まで走れる選手が多い。打撃タイトルにからむような選手はいなかったが、チーム2冠王(20本塁打、80打点)となり韓国を代表する大型内野手に成長したチェ・ジョン、プロ10年目で最高の成績を残した右の外野手キム・ガンミン、左の大砲として2年連続の活躍を見せたパク・チョングォンなど、怖い打者がそろっている。
 また39歳ながら衰えを感じさせないベテラン捕手パク・キョンワン、終盤は4番を打つこともあったかつての主砲イ・ホジュン、2010年シーズン限りでの引退を示唆しているベテランの左打者キム・ジェヒョンなど、勝負どころを知り尽くした経験豊富な選手たちもそろっている。
 守備ではショートのナ・ジュファンだけでなく、控えながら高い守備力を誇る内野のキム・ヨンフンなど、こちらも大きな穴は見られない。

 さて、挑戦者の立場となるサムソンであるが、プレーオフでは2度の延長戦を含む5試合ともに1点差の激闘を繰り広げ、第5戦から中1日で迎える韓国シリーズは、心身ともに非常に厳しい戦いとなることが予想される。特に先発の柱の一人だったチャン・ウォンサムを第5戦で6イニングもロングリリーフで投げさせてしまったため、韓国シリーズでは先発するにしても第3戦以降となりそうだ。さらにもう一人の左の先発の柱だったチャ・ウチャンは、プレーオフではトゥサンに打ち込まれ調子が明らかに悪かった。
 また公式戦では鉄壁だったリリーフ陣も、左のクォン・ヒョクの不振などであまり機能せず、抑えの切り札不在を感じさせた。そういうこともあって、韓国シリーズでは最近ひじの手術からのリハビリで登板していなかったかつての守護神オ・スンファンを出場メンバーに登録した。2005,06年の韓国シリーズ2連覇に貢献したオ・スンファンだが、故障明けということでまったくの未知数だ。
 一方打線だが、チェ・テイン、チェ・ヒョンウ、パク・ソンミン、チョ・ドンチャンなど主軸を打つ野手たちが軒並み不調で、イ・ヨンウク、キム・サンスの下位打線でチャンスを作り、プレーオフMVPを受賞した上位のパク・ハニで返すパターンが目立った。プレーオフではあまり活躍の場がなかったシン・ミョンチョル、カン・ボンギュ、チン・ガビョンなどベテラン選手たちの奮起にも期待したい。

 専門家の大方の予想も、総合力で勝り疲労のないSKが有利だとする味方が強い。筆者もプレーオフを戦った勢いで、2試合目まではサムソンもSKと互角に戦うが、疲れが見え始める第3戦以降はSKが一気にたたみかけると予想する。近年大きく高まったプロ野球人気にふさわしい好勝負を期待したい。