DAILY KOREAN PRO BASEBALL 2

1982年に発足し、2020年時点で10球団が加盟する韓国野球委員会(KBO)による韓国のプロ野球リーグ(通称KBOリーグ)に関するブログ。レギュラーシーズン、ポストシーズン(韓国シリーズなど)の試合速報や球団別の情報、現役プロ選手が含まれる野球韓国代表が出場する国際大会の情報などもお伝えします。 twitter : @kbodigest

  2009年準プレーオフ : トゥサン−ロッテ

 史上最多の約592万人の観客動員数を達成した2009年。韓国でプロ野球が第2の全盛期を迎えているという声も聞こえる。最初のプロ野球全盛期で、史上2位となる約540万人の観客動員数を記録した1995年、韓国シリーズでOB(現トゥサン)とロッテが激突し、第7戦までもつれ込む熱戦が繰り広げられ、OBが4勝3敗で優勝した。今回の両チームのポストシーズンでの対戦は、それ以来の14年ぶりとなる。

 2年連続で公式戦2位、韓国シリーズに進出したがSKに敗れたトゥサンは、2009年公式戦では3位に終わり、2004年以来5年ぶりに準プレーオフからポストシーズンに出場することとなった。
 投手陣の顔ぶれであるが、チーム防御率はシーズン通して4.60(8球団中3位)だった。特徴としては先発陣が弱く、比較的リリーフ陣の層が厚い。先発はキム・ソヌ(11勝)が勝ち頭だが、9月以降はあまり調子がいいとは言えない。第1戦の予告先発、左腕ニコースキー(元福岡ソフトバンク)が9月以降好調で、現在もっとも安定感がある。その他にはプロ2年目で9勝をあげ大きく成長したホン・サンサム、左腕クム・ミンチョル、イ・ジェウなどの登板が予想されるが、短期決戦の先発を任せるには心もとない。
 シーズン中盤までは安定していたリリーフ陣も、9月以降は防御率5点台と先発陣より防御率が悪く、チームがキアやSKから離され3位にとどまったひとつの要因となった。中継ぎの柱で11勝をあげたイム・テフン、20歳の若き守護神イ・ヨンチャンが疲労もあってか調子を落とし、打たれる場面が目立った。その代わりコ・チャンソン、チョン・ジェフン、キム・サンヒョンなどが好調を維持し、チームが下降線をたどる中大きな連敗を防いでいた。ポストシーズンの経験が豊富なキム・ギョンムン監督であるが、投手陣のやりくりには苦労しそうだ。また初の大舞台を任される捕手チェ・スンファンのリードにも注目したい。
 打線は本塁打数が120と8球団中最下位だが、以前ほど盗塁は多くないが機動力を使った大胆な作戦と、.280と高いチーム打率(8球団中2位)のため、チーム得点722(同2位)と高い得点力がある。特にキム・ヒョンス、キム・ドンジュ、チェ・ジュンソクのクリーンアップが強力で、公式戦は3人合計で284打点を記録した。キム・ドンジュが欠場したときは4番を打つこともあったキム・ヒョンスは、.357の高打率だけでなく23本塁打、104打点と最高のポイントゲッターとなっていて、首位打者となった2008年に続いて打撃センスの高さを見せ付けている。その他負傷により公式戦は86試合の出場にとどまったが、チーム最多の37盗塁を記録した俊足のイ・ジョンウク、下位にいるとうるさいソン・シホン、イム・ジェチョル、ロッテから移籍し打撃好調で内野のレギュラーに定着したイ・ウォンソクなど、比較的上位から下位まで気が抜けない。なお韓国を代表するセカンドに成長したコ・ヨンミンが、シーズンを通して元気がなくさえない成績に終わったのが気がかりだ。

 サムソンとの激しい4位争いを制し、2年連続ポストシーズンに進出したロッテ。2008年は8年ぶりのポストシーズンということで大いに期待されたが、選手、監督ともに経験不足を露呈し、12年連続ポストシーズン進出と経験豊富なサムソンの前に3連敗と、あっけなく崩れ去った。今回はその二の舞を避けたいと、チーム一丸で同じく経験豊富なトゥサンに挑みかかる。
 ロッテの最大の武器は強力な先発投手陣だ。最多勝のチョ・ジョンフン(14勝)、ソン・スンジュン(13勝)、チャン・ウォンジュン(13勝)と、三本柱が確立している。チーム防御率は4.75とトゥサンより低いが、短期決戦において先発投手陣の占める比重を考えると、大きなアドバンテージになりうる。ただし長年エースとして活躍してきたソン・ミンハンが、肩の故障もあり8月で戦線離脱しポストシーズンには出場しないこともあって、万が一のときの先発要員がいないのが欠点でもある。
 リリーフ陣は、イム・ギョンワン、イ・ジョンフン、カン・ヨンシクなどの中継ぎ陣、抑えのアドキンスなどがそろい、比較的強力である。ロイスター監督は比較的先発を長く引っ張る傾向があるので、どのタイミングでリリーフにスイッチするかが注目される。2008年の準プレーオフでは先発を早く見切ってしまい、普段と違う野球をやってしまったのが敗因のひとつとなったので、その二の舞は避けたいところだ。
 打線はチーム打率.277(8球団中4位)とトゥサンと比べて遜色はないが、本塁打数121(同7位)、盗塁数106(同7位)と、一発と機動力に欠けるため637のチーム得点は最下位だった。また、首位打者争いに加わったホン・ソンフン、2人合計57本塁打イ・デホ、ガルシア(元オリックス)の長距離砲で組むクリーンアップへの依存度が高く、上位打線と下位打線の差が大きかったことも得点力の低さの原因となった。だが俊足のキム・ジュチャン、負傷で戦線離脱していた期間が長かった主将チョ・ソンファンが、クリーンアップトリオを補助し本来の実力を発揮すれば、相手にとって予想以上に厄介となる。また、手術を受けるためポストシーズンには出場しない若き正捕手カン・ミンホの代役として、まだ19歳のチャン・ソンウがどこまで初の大舞台でやれるかも注目したい。

 公式戦では3位のトゥサンが、序盤出遅れた4位のロッテに5ゲームの差をつけたが、直接対決の対戦成績はロッテの10勝9敗と、ほぼ互角となっている。あまり調子がよいとは言えないが経験豊富なトゥサン、4位争いを勝ち抜き意気の上がるロッテとの対決は、ほぼ互角の対決と見たい。投手戦になればロッテ、打撃戦になればトゥサンに分が上がると予想する。