プレーオフ 第3戦
トゥサン 6−0 ハンファ (大田)
(勝)キム・ミョンジェ 1勝 (敗)リュ・ヒョンジン 1敗
第1戦、2戦と連勝し、この試合にトゥサンが勝てば韓国シリーズ進出が決定するプレーオフ第3戦は、ハンファの本拠地・大田(テジョン)で1万人の満員の観客を集め、後のないハンファの先発がエースのリュ・ヒョンジン(17勝7敗)、トゥサンの先発がキム・ミョンジェ(4勝7敗1S)で開始された。
[試合前ハンファの必勝を祈るマスコット。]
トゥサンは1回表いきなり無死1,3塁と先制点のチャンスを作ると、3番コ・ヨンミンの平凡なフライをショートが取れずセンター前に落とし、1点を先制した。さらに5番ホン・ソンフンのショートゴロが1塁へ悪送球される間に1点を追加し、続く6番アン・ギョンヒョンの犠牲フライでこの回合計3点を奪う。
1回に3点を失ったリュ・ヒョンジンは2回表途中で腕の痛みを訴え降板し、2番手セドリックと交代した。セドリックはこの回追加点のピンチを招いたがなんとかしのぐと、3回以降は好投を続けトゥサンに追加点を許さない。しかしトゥサンのキム・ミョンジェは1回裏に2死1,2塁のピンチを招くが、5番イ・ボムホを打ち取るとその後はチャンスすら作らせず、無得点に抑えていく。
[気迫の投球を続けるキム・ミョンジェ。]
セドリックからなかなか追加点を奪えなかったトゥサンだが、7回表2番キム・ヒョンスのタイムリーとセドリックの暴投で2点を追加した。キム・ミョンジェは7回途中まで3安打に抑え、3塁も踏ませない好投だった。ハンファは7回裏斗山の2番手イ・スンハクから2死2,3塁のチャンスを作ったが、ここで代打イ・ヨンウが打ち取られまたも得点をあげられなかった。
トゥサンは8回表ハンファの3番手でプレーオフ3連投となったユ・ウォンサンから、1番イ・ジョンウクの犠牲フライで1点を追加した。8回裏からトゥサンは3番手として高卒新人イム・テフンをマウンドに送ったが、先頭の代打イ・ドヒョンに2塁打を打たれてしまう。だがその後を抑え、ハンファはこの回も無得点に終わる。イム・テフンは9回裏を3人で抑え、トゥサンが完封リレーで3連勝し、2005年以来2年ぶりの韓国シリーズ進出を決めた。
リオス、ランデルの両外国人投手以外の先発投手が足りないと言われたトゥサンだったが、第3の男キム・ミョンジェが7回途中まで無失点と期待以上の好投で3連勝の立役者となった。なお、キム・ミョンジェは2005年プロデビューの年にハンファとのプレーオフで1勝し、サムソンでの韓国シリーズでも登板し合計9回を無失点に抑えており、プロデビュー以来ポストシーズン無失点と、公式戦通算3年間で14勝の実績の割には相性がいい。打線ではイ・ジョンウクが3安打1打点と活躍し、プレーオフ3試合で10打数6安打、1本塁打、4打点、2盗塁と打撃でも足でもトップバッターとして縦横無尽の働きを見せ、見事プレーオフMVPに輝いた。
[プレーオフMVPを受賞したイ・ジョンウク。]
一方敗れたハンファは、2005年トゥサンとプレーオフで対戦し3連敗で敗れた悪夢が再現されてしまった。左のリュ・ヒョンジン、右のチョン・ミンチョルが腕の痛みでともに長いイニングを投げられず、投手起用が大幅に狂い、名将キム・インシク監督の手腕をもってしてもそれをカバーできるほど投手陣の層が厚くなかった。
また、3番クルーズが準プレーオフから全くいいところがなく、4番キム・テギュンもポストシーズンに弱いのが相変わらずで、打線もつながらなかった。だがプレーオフ3試合で3連投した期待の若手ユ・ウォンサンが好投し、来季以降の先発ローテーション入りを大きくアピールしたのが収穫だった。なお、ハンファは10月7日雨天中止となったキアとの公式戦残り1試合を近日中に消化する予定である。
トゥサンとSKとの韓国シリーズは、22日18時からSKの本拠地仁川・文鶴野球場で開幕する。プレーオフを3連勝と余裕を持って勝ち上がったトゥサンの6年ぶり4度目の優勝となるか、あるいは投打ともに他球団より頭一つ抜けた強さで公式戦初優勝を達成したSKが韓国シリーズも初優勝となるか、大いに注目される。