DAILY KOREAN PRO BASEBALL 2

1982年に発足し、2019年時点で10球団が加盟する韓国野球委員会(KBO)による韓国のプロ野球リーグ(通称KBOリーグ)に関するブログ。レギュラーシーズン、ポストシーズン(韓国シリーズなど)の試合速報や球団別の情報、現役プロ選手が含まれる野球韓国代表が出場する国際大会の情報などもお伝えします。 twitter : @kbodigest

  韓国シリーズ : サムソン−ハンファ

 今年の韓国シリーズは、昨年は4連勝と圧倒的な強さでトゥサンを倒し優勝したサムソンを率いるソン・ドンヨル監督が、WBC(ワールドベースボールクラシック)と同じくポストシーズンという短期決戦で投手起用を中心に優れた采配を振るい続けている名将キム・インシク監督を倒し、真の名将になれるかどうか、その真価が問われる戦いになるであろう。
 過去のデータを見ると公式戦3位チームが準プレーオフから出場し、韓国シリーズを制したのは現行制度で行われた15回のうち2回しかない。ただそのうちの1回が、キム・インシク率いる2001年のトゥサンで、倒した相手もサムソンなのである。ただこの時のサムソンはチームを無断離脱した外国人投手ガルベス(元読売)を第1戦で登板させ、この試合を落としたため勢いに乗れずトゥサンに2勝4敗で敗れた。今年のサムソンにこのような不備はない。ちなみに公式戦優勝チームが韓国シリーズも優勝する確率は8割(15回中12回)と、数字上はサムソンが圧倒的有利な立場にある。なお今季の公式戦ではサムソンが11勝7敗と勝ち越している。
 準プレーオフ(2勝1敗)、プレーオフ(3勝1敗)を制し7年ぶりの韓国シリーズ出場を決め勢いに乗るハンファは、強力打線が勝負どころでホームランや長打を打ち、先発が今ひとつでも決して層が厚いとはいえない中継ぎ陣が何とか踏ん張り、守護神ク・デソン(元オリックス)が好リリーフを見せるという勝ちパターンを作ってはいる。これを迎え撃つサムソンは、過去5年間で4度韓国シリーズに進出し2度優勝しているため経験豊富な選手がそろっている。
 サムソンは強力な投手陣と、派手さはないが野球を知る選手が多く勝負どころではしっかり点を取れる打線のチームだ。投手陣であるが、先発陣はハリッカラ、ブラウン(元阪神)の2ケタ勝利を達成した外国人投手を中心に、チョン・ビョンホ、ペ・ヨンス、イム・ドンギュら計算できるメンバーがそろっている。第1戦はエースとしての活躍が期待されながら、今季は故障で本来の力を発揮しきれず8勝にとどまったペ・ヨンスが先発となった。過去の韓国シリーズでの経験を買われてである。これに対してハンファの第1戦の先発は、高卒新人三冠王としてシーズン中の話題を独占したが、ポストシーズンは未勝利のリュ・ヒョンジンである。韓国プロ野球界をしょって立つエース2人の投げあいから目が離せない展開となるであろう。
 リリーフ陣は今季ホールドの年間新記録(32)を達成した中継ぎの柱クォン・オジュン、韓国最高のストッパーでセーブの年間新記録(47)を達成したオ・スンファンの鉄壁のリレーが控えており、1点差で終盤を迎えても不安はまったくない。接戦になればなるほどサムソンが有利となってくる。また昨年末の手術で今季の大半をリハビリに費やしたかつてのエース、イム・チャンヨンも中継ぎとして登板が予想される。
 打線は主砲シム・ジョンスが故障でシーズンの大半を棒に振ったため一発を打てる打者が少ないが、今季チーム最多の81打点を記録したベテランのヤン・ジュンヒョクが大黒柱だ。その他勝負強い打撃が魅力のベテランのキム・ハンス、内野守備の要パク・チンマン、外野の要パク・ハニ、正捕手チン・ガビョンとタレントはそろっているが、けが人が多いのが悩みだ。終盤故障や不調から復活してきた若き主砲候補チョ・ドンチャンに期待したい。またサムソンは今季121盗塁と上位から下位までまんべんなく走れる選手がそろっているのも強みである。またシム・ジョンスは代打要員であるが、あまり大舞台に強い選手ではないのが難点だ。
 ハンファは地力で勝るサムソンに勝つなら、勢いに乗り第5戦か6戦までの早いうちに決着をつけておきたい。逆に第7戦までもつれるようだったら経験豊富なサムソンが俄然有利だ。また、ハンファが経験のなさを露呈しムン・ドンファンチョン・ミンチョル、ソン・ジヌらの先発陣が打ち込まれるようであれば、サムソンの一方的展開となるであろう。ソン・ドンヨル監督、キム・インシク監督と新旧の名監督の采配にも注目したい。