DAILY KOREAN PRO BASEBALL 2

1982年に発足し、2024年時点で10球団が加盟する韓国野球委員会(KBO)による韓国のプロ野球リーグ(通称KBOリーグ)に関するブログ。レギュラーシーズン、ポストシーズン(韓国シリーズなど)の試合速報や球団別の情報、現役プロ選手が含まれる野球韓国代表が出場する国際大会の情報などもお伝えします。 twitter : @kbodigest

FAチョン・ジュヌ、ロッテと再契約

 ロッテジャイアンツは1月8日、2020年のFA(フリーエージェント)選手だったチョン・ジュヌ外野手(33)と契約期間4年、契約金12億ウォン、総年俸20億ウォン、オプション2億ウォンの総額最大34億ウォンで再契約した。

 右打者のチョン・ジュヌは大学卒業後の2008年、ロッテへ入団し2010年から主力として活躍し、2013 WBC(ワールドベースボールクラシック)に韓国代表として出場した。2014年シーズン終了後に軍へ入隊、警察野球団(解散)に所属、2016年9月に除隊されロッテへ復帰した。2018年は190安打で最多安打の個人タイトルを受賞、自己最多の33本塁打を記録した。2019年シーズンの成績は141試合に出場、打率.301、22本塁打、83打点、8盗塁の成績で、オフシーズンに初めてFAとなった。プロ12年間の通算成績は1071試合に出場、打率.294、1166安打、135本塁打、555打点、107盗塁。

 

(1月8日時点の為替レート:1億ウォンが918万6361円。)

 

(文責:ふるりん

FAパク・ソンミンと再契約

 NCダイノスは1月8日、2020年のFA(フリーエージェント)選手となっていたパク・ソンミン内野手(34)と契約期間最長3年、最大34億ウォンで再契約した。契約は2年で16億ウォンが最低限保証され、3年目の契約実行を含むオプションは総額18億ウォンである。

 右打者で主に三塁を守るパク・ソンミンは高校卒業後2004年にサムソンへ入団し、2006年より軍へ入隊し尚武に所属した。2008年、サムソンへ復帰すると主力として活躍を続け、2011年から2014年までの韓国シリーズ4連覇に貢献した。2015年シーズンオフに初めてFAとなりNCへ移籍した。NCでも主力として活躍し、2017 WBC(ワールドベースボールクラシック)に韓国代表として出場した。だが2017年以降は故障が多く離脱していた期間も短くはなかった。2019年シーズンは112試合に出場、打率.267、19本塁打、74打点、1盗塁の成績で、シーズン終了後に2度目のFAとなっていた。プロ16年間の通算成績は1469試合に出場、打率.289、1360安打、244本塁打、927打点、23盗塁。

 

(1月8日時点での為替レート:1億ウォンが918万6361円。)

 

(文責:ふるりん

FAアン・チホン、ロッテと2年契約(最大4年)で移籍

 ロッテジャイアンツは1月6日、2020年のFA(フリーエージェント)選手だったアン・チホン内野手(29)と契約期間2年、契約金14億2000万ウォン、年俸総額5億8000万ウォン、オプション6億ウォンの総額26億ウォンで契約した。なお、2021年シーズン終了後に双方が合意した場合、2022年から2年総額最大31億ウォンで契約が延長され、4年総額最大56億ウォンとなる。しかし球団がアン・チホンとの契約延長を望まない場合、1億ウォンが支払われバイアウトとなり自由契約選手となる。

 右打ちの内野手アン・チホンは高校卒業後の2009年キアへ入団し、新人の年から二塁の主力として活躍しオールスター戦MVPを史上最年少の19歳で受賞、韓国シリーズ優勝に貢献した。2014年シーズン終了後に軍へ入隊、警察野球団(解散)に所属し2016年9月にキアへ復帰すると翌2017年の韓国シリーズ優勝に貢献した。2018年にはアジア競技大会に韓国代表として出場した。2019年シーズンは105試合に出場、打率.315、5本塁打、49打点、4盗塁の成績だった。プロ11年間の通算成績は1124試合に出場、打率.300、1176安打、100本塁打、586打点、106盗塁。ロッテは2019年シーズン、二塁が固定できなかったことが最下位になった要因の一つであり、プロ野球界有数の実績があるアン・チホンは大きな補強となる。

 

(1月6日時点での為替レート:1億ウォンは923万2264円。)

 

(文責:ふるりん

キム・ジェファン、ポスティングでのMLB移籍ならず

 2019年12月5日、韓国野球委員会(KBO)がメジャーリーグベースボール(MLB)事務局よりMLB30球団にポスティングを要請したトゥサンベアースのキム・ジェファン外野手(31)は、ポスティングの期限となっていた韓国時間2020年1月6日午前7時(アメリカ合衆国東部時間1月5日午後5時)までに契約を結んだ球団がなかった。したがって2020年シーズンはトゥサンと再契約することになり、再度MLBへポスティングによる移籍を要請する場合は2020年11月1日以降となる。

 左打者のキム・ジェファンは高校卒業後の2008年にトゥサンへ入団し、2009年から2010年まで兵役のため軍へ入隊し尚武に所属していた。2011年よりトゥサンに復帰するも出場機会に恵まれなかった。しかし2016年に37本塁打、124打点を記録して4番打者を任されるようになると、2017年にも35本塁打、115打点を記録した。そして2018年には44本塁打、133打点で打撃の個人タイトル2部門を受賞し、レギュラーシーズンMVP(最優秀選手)にも選ばれた。2019年シーズンは136試合に出場、打率.283、15本塁打、91打点、3盗塁の成績だった。なお2018年アジア競技大会、2019 WBSCプレミア12と近年の国際大会の韓国代表にも選出され、MLBへの移籍を図るも失敗に終わったキム・ジェファンは、トゥサンの主力打者としてチームの韓国シリーズ連覇に力を尽くすことになる。

 

(文責:ふるりん

2020年 新年のごあいさつ

 皆様、あけましておめでとうございます。

 2020年も「DAILY KOREAN PRO BASEBALL2」をよろしくお願いいたします。

 

 2020年の韓国プロ野球KBOリーグ)のレギュラーシーズンは3月28日に開幕し、各球団144試合を実施します。なおレギュラーシーズン終了後に韓国シリーズなど年間総合優勝を決定するポストシーズンが開幕します。2020年シーズンは何といっても、韓国代表チームが優勝した2008年北京オリンピック以来、12年ぶりにオリンピック野球が実施され一流プロ選手主体の代表チームが派遣されるため、7月24日から8月10日までレギュラーシーズンが中断され、大きな注目を集めることでしょう。

 2008年8月、野球韓国代表にはリュ・ヒョンジン、キム・グァンヒョン、キム・ヒョンスといった若き才能たちがあふれ、その後のプロ野球界の中心的な存在となりメジャーリーグベースボールへと活躍の場を移した選手も現れました。またイ・スンヨプのような経験豊富な勝負強いベテラン選手もいました。それから11年あまりが過ぎてプロ野球全体の世代交代が進む中、2020年東京オリンピックを新たな飛躍の場としたいところです。2008年の8チームと比べ追加競技のため6チームだけで優勝が争われる2020年東京オリンピック野球ですが、かつてとは比べ物にならないほど国際大会における各国の代表チームの実力は向上しています。

 2020年1月1日時点で、東京オリンピック野球に出場するのは開催国日本と、2019 WBSCプレミア12で出場権を獲得した韓国とメキシコ、そしてヨーロッパ・アフリカ予選を勝ち抜いたイスラエルの4チームで、残り2チーム(南北アメリカ予選とインターコンチネンタル予選の勝者)は4月上旬までに決定します。野球新興国の一つイスラエルは、予選を勝ち抜き本大会初出場となった2017 WBC(ワールドベースボールクラシック)1次ラウンドで韓国と対戦して勝利し、2次ラウンドまで進み世界の野球界に衝撃を与えたのはまだ記憶に残っている方もいらっしゃるかと思います。おそらく2020年東京オリンピックでも経験豊富なユダヤ系の選手たちを多数そろえ、優勝争いに絡んでくる可能性は高いと思われます。

 選び抜かれた6チームだけによりし烈な優勝争いとなるであろう2020年東京オリンピック野球。優勝のみならず、メダルを授与される軍へ入隊していない選手たちが兵役免除の恩典を受ける3位以内に入るのも容易ではありません。2010年代後半の国際大会に出場した経験豊富な選手たちと、今後のプロ野球界の未来を担う新鮮味あふれる若手選手が融合し、最高の結果をもたらしオリンピック2連覇という金字塔を打ち立てることを信じています。

 

 このブログでは2020年オリンピック野球に関する情報はもちろんですが、各球団の選手の動向や2019年シーズンの回顧と2020年シーズンへの展望、海外キャンプでの練習試合やレギュラーシーズン開幕前の示範競技(3月14~24日)など様々な情報や記事などを掲載いたします。ご期待ください。

 

(文責:ふるりん

2019年 最後のごあいさつ

 皆様、2019年も「DAILY KOREAN PRO BASEBALL 2」をご覧いただきありがとうございました。

 前身の「DAILY KOREAN PRO BASEBALL」が15年目を迎えた1月で更新を停止しすでに閉鎖されていますが、こちらでも以前と変わることなく皆様に韓国プロ野球KBOリーグ)の試合結果や各種の情報をお届けできたと思います。

 ブログを開始した2004年当時、まだ8球団しかなかった韓国プロ野球は「冬の時代」で、年間観客動員数(レギュラーシーズンのみ)は約233万人と過去30年間では最少でした。 しかし北京オリンピックで野球韓国代表が優勝を果たした2008年は12年ぶりに500万人台を回復し、2009年、2010年は当時の新記録となる約592万人とプロ野球人気の上昇が続きました。これを受け、2011年にNCダイノス、2013年にKTウィズと新球団が2つ創設され、2015年より本格的な10球団制に入りました。またリュ・ヒョンジン(2020年よりトロントブルージェイズ)のように、韓国プロ野球で活躍した選手がMLB(メジャーリーグベースボール)へ直接移籍するようにもなりました。

 また2010年代になると新球場の建設も進み、MLBなどを手本としたボールパークが目の肥えたプロ野球ファンたちに受け入れられ、2017年の年間観客動員数は史上最多の約840万人まで伸びました。ところが、2018年は約807万人、2019年は約728万人とここ2年間は減少傾向にあります。選手の不祥事や、国際大会での活躍で兵役免除を狙い軍への入隊を延期した選手の影響もあるなど言われましたが、個人的な見解を述べますと、右肩上がりだった韓国プロ野球自体が新鮮な輝きを失ってきたのがあるかと思われます。

 2019年の韓国プロ野球界の最大の目標は、11月のWBSCプレミア12で2020年東京オリンピックの出場権を得ることでした。惜しくも2連覇を逃し準優勝でしたが、オリンピック出場権を争っていた台湾、オーストラリアより上位になったことで一流プロ選手から構成される韓国代表チームはその目標を達成しました。12年ぶりに野球競技が実施される2020年東京オリンピックでは、韓国代表の2連覇が期待されます。2017年ごろから韓国代表に定着したイ・ジョンフ、キム・ハソン(以上キウム)などの若い力が躍動し、さらに新たな力が2020年東京オリンピックで活躍し、韓国プロ野球に活気がよみがえることを願わずにはいられません。

 

 それでは皆様、これからもよろしくお願いいたします。

 

(文責:ふるりん

FAチン・ヘスと再契約

 LGツインスは12月26日、2020年のFA(フリーエージェント)選手となっていたチン・ヘス投手(33)と契約期間最長3年、契約金3億ウォン、年俸またインセンティブ11億ウォンの総額最大14億ウォンで再契約した。

 左腕チン・ヘスは高校卒業後の2006年にキアへ入団し、当初はチン・ミンホだったが2011年兵役を終え軍から除隊された際に改名した。2012年はキアで中継ぎとして56試合に登板するも、2013年シーズン途中の5月に2対2の交換トレードでSKへ移籍した。SKでも中継ぎとして起用され、2015年シーズン途中の7月に3対3トレードでLGへ移籍した。2016、2017年と2年連続で75試合に登板、2017年はリーグ最多の24ホールドを記録するなど中継ぎとして活躍した。2019年シーズンは72試合に登板、3勝1敗20ホールド、防御率3.43の成績で、オフシーズンに初めてFAとなった。プロ14年間の通算成績は579試合に登板、14勝28敗2セーブ111ホールド、防御率5.62。

 

(12月26日時点での為替レート:1億ウォンが941万1500円。)

 

(文責:ふるりん